合同・個人演説会
更新日 2017年03月26日



 

1.企画
合同・個人演説会は「演説」だけで「討論」はしないのですか
合同・個人演説会ではどのような演出ができますか
合同・個人演説会の主催者は誰になりますか

合同・個人演説会は複数回開けますか 

公開討論会には無い、合同・個人演説会ならではの魅力はありますか
合同・個人演説会の費用負担について教えてください
選挙期間中に開催できるのは合同・個人演説会だけですか
街頭演説を合同で開催することはできますか
「合同・個人演説会」は、選挙運動である「個人演説会」を合同で行うものですから、「選挙運動」に当たるのでしょうか?
突然の選挙にはどのような公開討論会が向いていますか 
知事選にはどのような公開討論会が向いていますか
合同・個人演説会の法的位置づけを教えてください 
 
2.手続き(合同・個人演説会特有)


合同・個人演説会の開催を予定しています。選管に提出する書類は、いつ書式を受け取りに行って、いつ提出すればいいですか?

選管に提出する開催申出書は、候補者全員の連名で提出ですか
会場の入口に候補者の立て看板を設置するのは義務ですか
  領収書が1枚のみの発行(分割はできない)となります。各陣営に渡す領収書は、1枚を参加候補者分コピーして、これを参加候補者数分で均等割りする旨メモしたものでOKでしょうか? 
  合同・個人演説会で、企画・運営団体名の領収書も発行可能でしょうか?
 
3.集客
合同・個人演説会の広報に、チラシやポスターを利用できますか?
合同・個人演説会はどのように広報すればいいのでしょうか?
クチコミの広め方を教えてください
私は新聞にコラムを連載しています。その原稿の中で合同演説会開催に触れてもいいでしょうか?
タウン誌に合同・個人演説会の開催情報を掲載できますか
 
4.当日の運営
  合同・個人演説会の会場で、「選挙運動用ビラ」、「選挙運動用ハガキ」は配れますか?
合同・個人演説会のビデオ撮影を申し込まれた場合はどうすればいいですか?

合同・個人演説会を途中退席する候補者がいるので、設問に対する回答をその候補が予め記入した用紙を、退席後に会場で発表することは問題ありませんか?

合同・個人演説会で要約筆記をスクリーンに投影できますか?
合同・個人演説会で、行政基礎データをスクリーンに投影できますか
合同・個人演説会の会場外に「○○選挙合同個人演説会」と記載した立て看板を掲示してよいですか?
 
5.テレビ・ラジオ放送
  合同・個人演説会をテレビやラジオで放送できますか?
   
6.合同・街頭演説会
街頭演説を合同で開催することはできますか
選挙期間中に開催できるのは合同・個人演説会だけですか
合同・街頭演説会を開催する時の注意点を教えてください




Q.
 
合同・個人演説会は「演説」だけで「討論」はしないのですか
 

A.

  いいえ。
合同・個人演説会の「演説会」という言葉のイメージから、かつての立会演説会を連想し、「討論」をするのではなく、「候補者が一人づつ順番出てきて発言するのみで、発言し終えたら退場」「候補者同士の討論が無い」と思われる方が多いようですがこれは誤解です。
合同・個人演説会の討論進行は基本的に公開討論会と同様で、コーディネーターからの候補者への質疑応答、候補者同士の討論(ディベート)、フリーディスカッションなどが自由自在に行えます。それどころか、発言に関する公職選挙法の規制が公開討論会よりも緩いため、工夫次第では公開討論会よりも踏み込んだ討論や演出が可能です。

 


2007年10月22日

 



Q.
 
合同・個人演説会ではどのような演出ができますか
 

A.

 公開討論会と同様に行える演出と、合同・個人演説会だけで行える演出とを、それぞれ事例で紹介します。

◎公開討論会と同様に行える演出(事例)

 ・候補者の入場時に音楽をかける
 ・ケーブルテレビによる生中継を行う
 ・ラジオ放送リスナーを意識した運営を行う
 ・ 一定の範囲内でフリップの持込を許可する

◎合同・個人演説会だけで行える演出(事例)

 ・候補者にはタスキがけで入場してもらう
   (着席後のタスキ着脱は自由とする)
 ・最終演説で、投票依頼行為発言を認める

参考)
 その他、合同・個人演説会では、公職選挙法で以下の行為も認められています。

  ・候補者の応援者による応援演説を行う
  ・CDやテープで、政策やを録音した音声や、応援者による応援演説を聴かせる

  ただし、これらの演出を行う場合には合同・個人演説会の主旨を踏み外さないように配慮しましょう。

 


2007年10月22日

 



Q.
 
合同・個人演説会の主催者は誰になりますか
 

A.

  公職選挙法により、主催者は各候補者の合同主催になります。2人以上の候補者が同意すれば開催可能ですが、できるだけ候補者全員による合同主催が望ましいです。
ただし、実際には手続きや司会進行など、運営に関する大部分は第三者が仲介・代行します。この第三者のことを、リンカーン・フォーラムでは「企画・運営団体」と呼んでおり、告示・公示前の公開討論会における主催者とほぼ同じ役目を担います。

 


2007年10月22日

 



Q.
 
合同・個人演説会は複数回開けますか
 

A.

  候補者の同意があれば、選挙期間中に何回でも開くことが可能です。特に国政選挙や都道府県知事選挙の場合は選挙期間が長く、また選挙区も広いために、複数回開くことが望ましいです。
 しかし、選挙期間は候補者が選挙運動を行える唯一の期間なので、なかなか複数回の参加には同意していただけない場合もあります。そのような場合には、

この企画が各候補者の政策をアピールする選挙運動として非常に有益な場であること
なぜならば有権者は合同・個人演説会を待ち望んでいるので、この企画を知りさえすれば必ず大勢集まるので、私たちは集客に最大限の努力をすること

をご理解いただくように粘り強く説明しましょう。決して「候補者は合同・個人演説会に出る責任がある」などと、開く側の論理で出席を要求しないことです。

<参考:有権者は合同・個人演説会を待ち望んでいる>


 有権者が合同・個人演説会をいかに待ち望んでいるかは歴史が証明しています。、かつて開催されていた公営の立会演説会は、1回の選挙につき、最も少ない時で10回、最盛期には40回も開催されていたのです。1950年に成立された現行の公職選挙法の歴史の中では、1回の選挙で複数の立会演説会が実施されることは当たり前のことだったです。
そして、立会演説会は末期の10年ほどを除いてはどの会場も盛況で、非常に国民の人気の高いイベントであった、という北海道大学大学院による研究論文もあります。(小池秀明、「選挙における公開討論会の今日的意義 −市民による公開討論会運動の経験を通して−」『北大法学研究科ジュニアリサーチジャーナル』 7 2000 191頁〜226頁)
 これらの事実から、立会演説会が廃止(1983年)されて20余年を経た現在でも、この開催を国民・有権者は潜在的に望んでいることは真理であると私たちは考えます。
候補者の皆様方にはぜひご理解を賜りたいと思う所存です。
  
 

 

<参考:複数開催され、大きな成果を挙げた合同・個人演説会>


 近年では、同じ選挙で複数回の合同・個人演説会が開催されることが多くなってきました。なかでも顕著な事例を紹介します。

●千葉県知事選(2005年)
   5回(5会場)で開催来場者数日本記録を樹立(2007年現在)

兵庫県佐用町議選(2003年)
   選挙期間中は毎日、昼と夜、町内の各会場で計6回開催。

 


2007年10月22日
2011年2月11日リンク追加

 



Q.
 
公開討論会には無い、合同・個人演説会ならではの魅力はありますか
 

A.

  合同・個人演説会には、公開討論会には無い魅力がたくさんあります。
なかでも、最大の魅力のひとつとして、国政選挙で政党マニフェストが配布できるのは合同・個人演説会だけ、ということです。
候補者にとっては、自分の個人演説会や街頭演説ではなかなか手渡せない無党派層にも配布できる絶好の機会ですし、有権者にとっては、全政党のマニフェストを同時に入手・比較できる唯一の機会です。

その他にも、以下のような合同・個人演説会ならではの魅力が挙げられます。

有権者の関心が高いし、高まる
  #選挙期間中のため

●企画・運営団体の費用負担なし
  #全ての費用が立候補者の均等負担になる
   また、会場費は立候補者に無料で割り当てられる公営施設
   を利用できる

踏み込んだ討論が可能
  #選挙公約OK、投票依頼OK、マニフェスト配布(制限付)OK

●選管、警察が協力的
  #選挙運動期間中なので問題が起こらないように親切に相談
   に乗ってくれる

●マスコミが積極的
  #選挙期間中のハイライトなので

短期間で実現できる
  #最短で1週間でも可能、
   解散総選挙や、首長辞任・死去に伴う出直し選などの、時期が予想
   できない選挙にきわめて有効な手法。 
   また、一般の運営スタッフにとっては、短期、または当日のみの
   お手伝いなので、精神的負担が軽く、選挙のたびに協力を得やすい。

少人数で実現できる
  #当日まではたった一人でも出来る
   当日は各陣営から数名ずつのボランティア協力を得られる

 


2007年10月22日

 



Q.
 
合同・個人演説会の費用負担について教えてください
 

A.
 
  公職選挙法により、合同個人演説会を主催できるのは候補者自身と定められており、開催費用も各候補者の頭割りとなります。合同・個人演説会の運営に必要な経費については、運営協力者側で支出報告書を作成し、マイク1本、鉛筆1本に至るまで、きちんと精算します。会場スタッフを識別するための腕章、名札等は運営に必要な経費と考えていいでしょう。
  
  しかし、メンバーの服装を統一する(ジャンパー、トレーナー、Tシャツ)などの場合は、運営に必要不可欠な品とは考えにくいですので、これはメンバーで負担すべきです。

  なお、合同・個人演説会を開催する場合、スタッフはあくまで裏方なので、「○○で合同個人演説会を実現する会」というように運営協力者の団体をジャンパーやTシャツなどでアピールするのは不自然です。もし、ジャンパーを作り、何かの文字を入れるのであれば、「選挙に行こう!」、「○○市長選 △月△日」、「新しい4年を託す日 △月△日」というように、投票啓発的な内容にしておくといいでしょう。

  補足ですが、合同・個人演説会の場合、各候補者陣営から数名づつスタッフを拠出してもらう場合もあります。この場合、彼らの服装をどうするかという問題もありますので、メンバー数にゆとりがないのであれば、ジャンパーなどは作成しないほうが無難でしょう。
 






Q.
 
街頭演説を合同で開催することはできますか

合同・個人演説会は公選法164条の3で開催できるものとされていますが、複数の候補者が街頭演説を合同で開催すること、及び、それを候補者以外の第三者が仲介することについては、公選法に定められていないようです。合同・街頭演説の開催は可能でしょうか

 

A.
  候補者以外の第三者の呼び掛けに応じ、複数の候補者が合同で街頭演説を行う合同・街頭演説会は開催可能です。
  公職選挙法でも禁止されていないと、政府が公式に答弁しています。

 



 



Q.
 
「合同・個人演説会」は、選挙運動である「個人演説会」を合同で行うものですから、「選挙運動」に当たるのでしょうか?
 

A.
 
 
「合同・個人演説会」は、「個人演説会」のように特定の候補者の当選を図るために行うものではありませんが、それでも、公職選挙法で規定されている選挙運動です。
私たち一般有権者は「企画運営団体」という立場で、候補者の選挙運動の仲介をお手伝いするという形になります。

候補者は選挙のときにプロを雇うことがあります。いわゆる選挙参謀、マーケティング専門家、スタイリストなど・・・。そして、私たちの立場は、(法律上では)個人演説会を効果的に演出する広告代理店のようなものと考えればいいでしょう。

したがって「合同・個人演説会」の企画・運営では、「公開討論会」とは異なり、公職選挙法の選挙運動の制限を受けますので気をつけてください。

選挙運動の制限を受ける事例をひとつ挙げましょう。

2000年の総選挙で合同個人演説会をしたときに、「子供からの質問を候補者に投げかける」という企画をたて、実際の質問を会場で子供に読み上げてもらおうとしたところ、選管からストップがかかりました。

理由は「未成年者を選挙運動に使用してはいけないため」です。
質問を読み上げる子供ですら、一応は企画運営者ですから、公職選挙法の制限を受けてしまうのです。

このときは「子供からの質問」を大人が代読しました。


 



 



Q.
 
突然の選挙にはどのような公開討論会が向いていますか 
 

A.
 
 「突然の選挙」には、公開討論会よりも合同・個人演説会のほうが向いています。「突然の選挙」には概ね以下のようなものがあります。

・現職が死去した
・現職が逮捕された
・現職が辞任した
・衆議院が解散した

このような突然行われる選挙で、告示前に公開討論会を開こうとすると
(1)準備時間が不足する
(2)候補者が出揃わない可能性が高い
リスクがあります。

このようなリスクを回避するには合同・個人演説会がピッタリです。


 



2011年2月11日

 



Q.
 
知事選にはどのような公開討論会が向いていますか
 

A.
 知事選は、あらゆる選挙の中でも圧倒的に、公開討論会よりも合同・個人演説会が向いています。その理由は主に2つあります。

(1) 県知事選は選挙期間が長期間に及ぶため、選挙前に行われる公開討論会では、間もなく選挙があるという認識が有権者に浸透しておらず、関心を持ちにくいから
合同・個人演説会であれば、選挙期間中に開催できるので有権者の高い関心を引くことができます。
 
(2) ローカル・マニフェストが必ず配布されるのに手に入りにくく、内容もわかりにくいから
ローカル・マニフェストは配布場所が限られているのでなかなか入手できませんが合同・個人演説会の会場に行けば入手できます。しかも候補者本人から説明を受けることができます。
候補者の立場では、確実にローカル・マニフェストを有権者に配布でき、ポイントを詳しく訴えることが出来る、またとないチャンスなのです。

 

さらに、知事選では、複数回の合同・個人演説会を開催することによって以下の相乗効果が生まれます。

(3) 知事選は、選挙面積が広大であるため、県庁所在地で開催しても、県民の大半は遠くて見に行けない
県内全域にわたる複数箇所で開催すれば、地元に近い会場に見に行くことが出来ます。
また、経験上、県庁所在地よりも県周辺部での開催の方が人は集まるのです。田舎の方が都会よりも知事候補が「おらが街」に来てくれる事を待ち望んでいるのでしょう。
 
(4)

地域によって県政の主要課題は異なるのに、1箇所での開催だと、総花的な質問テーマにせざるを得ない

複数会場で開くことにより、開催地域によって、その地域固有のテーマを掘り下げて徹底討論することができます。
また、各地の討論はインターネットで音声配信すれば、有権者は全会場の全テーマを聞けます。
ちなみに、合同・個人演説会であれば、何回開いても企画運営団体の費用負担は無しで済みます。
 
(5) 知事選候補者は巨額の選挙資金が必要なので、資金力のない候補は資金提供者としがらみが生まれやすい

合同・個人演説会をできるだけ多く開催すれば、わずかな選挙費用で高いアピールを出来る場を候補者に提供できます。たとえば合同・個人演説会を10回開けば相当なアピールが出来て、なおかつ費用はトータルで200万円くらいでしょう。候補者が3人いたとすると、ひとりあたり70万円程度で済みます。

知事選の場合、数千万円〜数億円かける人もいると言われている中で桁違いの安さになり、にわかに信じがたいと思うかもしれません。しかし、例えば英国の場合は選挙費用が上限が百数十万円と定められています。これは英国では選挙運動の中心が
   1.公開討論会(英国には選挙期間の制限が無いので、
              日本で言えば合同・個人演説会にあたる)
   2.戸別訪問
   3.マニフェスト
で行われるからです。
わすか百万円の選挙費用であれば汚職が生まれようもありませんし、いわゆる”カバン”を持たない貧乏候補も挑戦できます。

選挙運動の方法を変えさえすれば、このように文字通りクリーンな選挙も決して夢ではないのです。
そして、公選法を変更するという困難な作業を伴わなくても、現行法制度の下でも、合同・個人演説会を沢山開催すれば、この夢は実現しうるのです。 

※実際にこの夢に挑戦して、日本の選挙風土を変革する扉を開いた  2005年千葉県知事選(日本JC千葉ブロック協議会と地元市民グループらによる5回の合同・個人演説会)のエピソードもぜひご覧ください。
  

 



2011年2月11日

 



Q.
 
合同個人演説会の法的位置づけを教えてください
 

A.
 平易にわかりやすく解説された文書がありますのでご覧ください。

  「公開討論会・合同個人演説会の開催の法的位置づけ
   ・出展:『私たちの広場307号 2009.7』 ((財)明るい
選挙推進協議会の広報誌)
   ・筆者:総務省選挙課理事菅 笠置隆範

 



2011年5月15日

 


 



Q.
 
合同・個人演説会の開催を予定しています。選管に提出する書類は、いつ受け取りに行って、いつ提出すればいいですか?
 

A.
  選管に提出する書類は2種類あります。

 1.『公開討論会完全マニュアル』立候補者への参加依頼の第4ステップ「選挙管理委員会への届け出」に記載されている書類

  この書類は提出義務はありません。しかし、届け出たほうがスムーズに行くという、リンカーン・フォーラムの成功法則のひとつです。
 

<参考>


     ・第3ステップ 候補者へのファーストアプローチ
     ・第4ステップ 選挙管理委員会への届け出
     ・第5ステップ 記者会見

 以上の3ステップは連動しており、同じ日に電光石火のごとく行うのがポイントです。そしてその日程は、告示日前で、できるだけ早いほうが良い。なぜかというと、「選管への届出日」=「記者会見日」なので、記者会見が早ければ早いほど、新聞報道による宣伝期間を確保できるからです。
 

 2.(会場に公営施設を利用する場合の)個人演説会開催申出書

  合同・個人演説会で、会場に公営施設を利用する場合は、選管指定書式の「個人演説会開催申出書」を選管に届け出ることが義務付けられています。(ホテルなどの民間施設利用であれば、届出は不要です)

  「個人演説会開催申出書」の書式はいつでももらえます。届出日は告示日以降です。
  
     1)開催予定日の2日前までに
     2)都道府県選管が定める書式に必要事項を記入して
     3)各候補者連名・連印で
     4)「その他の事項」欄に合同開催である旨記載して
     5)市町村の選管に
    届け出る必要があります。
 



 



Q.
 
選管に提出する開催申出書は、候補者全員の連名で提出ですか
 

A.
 
合同・個人演説会の開催申出書の提出方法は、選管によって異なります。

 1) 1枚の開催申出書に、候補者全員を連名、連印し提出する場合
 2) 候補者が各々、開催申出書を1枚ずつ提出する場合

どちらの提出方法になるかは、事前に管轄の選管に確認し、指導に従ってください。
なお、ホテルなどの民間施設を利用する場合は、開催申出書の選管への届出は不要です。

 

 


2007年10月22日

 



Q.
 
会場の入口に候補者の立て看板を設置するのは義務ですか
 

A.
 
個人演説会の会場入口に、候補者の立て看板の設置を義務づけられている(公選法第164条の2)のは国政選挙と都道府県知事選挙のみです。それ以外の選挙では、会場入口の立て看板の設置は任意です。したがって、参加候補者数が多い地方選挙での合同・個人演説会の場合は、必ずしも設置する必要はありません。
 ただし、宣伝効果のため、参加候補者数が少ない市町村長選ではなるべく設置したほうがいいでしょう。立て看板の設置が任意の選挙において、企画・運営団体として立て看板の設置を決めたにもかかわらず、候補者の都合や会場の状況によって個人演説会用立て看板の設置が難しい場合にはリンカーン・フォーラムに相談してください。
 


2007年10月22日

 



Q.
 
領収書が1枚のみの発行(分割はできない)となります。各陣営に渡す領収書は、1枚を参加候補者分コピーして、これを参加候補者数分で均等割りする旨メモしたものでOKでしょうか?

 

A.
  OKです。ほとんどのケースが、このようになります。

 



 



Q.
 
合同・個人演説会で、企画・運営団体名の領収書も発行可能でしょうか?

 

A.
  企画・運営団体がこの合同個人演説会の実務のために要した経費であれば、発行可能です。
たとえば、通信費(電話代)、交通費、コーディネーターへの謝礼金などが相当します。




 



Q.
 
合同・個人演説会の広報に、チラシやポスターを利用できますか?

 

A.
 合同個人演説会の企画運営団体である一般有権者が、チラシやポスターを用いて合同個人演説会を広報することはできません。

− 参考 −
公職選挙法では、合同個人演説会の告知をできる人は候補者のみ、とされています。それも、以下の4通りの手段のみで告知が認められています。
1)選挙運動用ハガキ
2)選挙運動用ポスター
3)個人演説会告知用ポスター(注:都道府県知事選のみ)
4)街頭演説を通じて口頭で告知

ここでいう「選挙運動用ポスター」や「個人演説会告知用ポスター」とは、その選挙陣営候補者(とその選挙陣営)のみに利用が認められているものであり、一般有権者は利用できません。
また、2人以上の候補者が1枚の選挙運動用ハガキを共同で使用することは認められているので合同演説会の告知に利用できないことは無いのですが、共同ハガキでも各候補につき、それぞれ1枚使用と計算されてしまうため、枚数に制限がある貴重なハガキを合同演説会告知用に使用していただける可能性は低いでしょう。

このように合同個人演説会ではチラシやポスターによる広報ができないのが現状です。そこでリンカーン・フォーラムでは、政策シンクタンク「構想日本」(加藤秀樹代表)の協力を得て、選挙期間中でも自由に公開討論会が開催でき、広報も自由に行えるように公職選挙法の改正を目指しています。
 詳細はこちら↓

    (構想日本)
    ★選挙の規制緩和 http://www.kosonippon.org/prj/c/?no=03
    ★公選法改正キャンペーン http://www.kosonippon.org/doc/?no=129

    (リンカーン・フォーラム)
    ★公職選挙法改正プロジェクト 
  
 どうぞ、皆様も公選法改正にご協力ください。
 



 

 



Q.
 
合同・個人演説会はどのように広報すればいいのでしょうか?
 

A.
  合同・個人演説会の企画運営団体である一般有権者が、チラシやポスターを用いて合同個人演説会を広報することは公選法で禁止されていますが、チラシやポスターに頼らずに広報する手段はあります。

例えば新聞やテレビで報道してもらう手段です。

新聞は自由に合同個人演説会を報道できます。そこで私たち合同個人演説会の企画者は、新聞報道を通じて広報することができます。記者会見の場で本事情を丁寧に説明し、新聞記者の皆さんに、合同個人演説会を広報できるのは新聞のみであることを訴えて、繰り返し、記事にしていただきましょう。

またテレビは、新聞と比較して選挙報道に(テレビ局の)自主規制が多いのですが、あくまでも自主規制であって、合同個人演説会を告知することや放映することは公職選挙法や放送法に抵触しません。実際に、2000年の総選挙の時は、NHKが関東地方の約10ヶ所の合同個人演説会日程を告知してくれました。テレビ各局のディレクターに直接交渉してみると効果的です。

そして、公開討論会同様に、クチコミで伝えることは問題ありません。クチコミはあらゆる広報手段の中で最も確実で有効な方法ですから、広報手段が限られている合同個人演説会ほど積極的に活用しましょう。


 

 



 



Q.
 
クチコミの広め方を教えてください
 

A.
  広報手段が限られている合同・個人演説会では、クチコミこそが最大の集客手段です。本Q&Aで解説済みの上手なクチコミ集客方法にしたがい、どしどし広めていきましょう。
ここではクチコミ集客の達人が実際に行っている事例をご紹介します。

(1)声をかける先はいくらでもある

 クチコミといっても自分は知り合いが少ないから・・・とあきらめていませんか?それは勝手な思い込みに過ぎません。声をかける先はいくらでもあります。

達人の、声のかけ先

 ・友人
   → 誰でもできる範囲です 
 ・知人
   → 普段ご無沙汰の方でも、声をかければ喜ばれます 
 ・自宅のご近所
   → 面識が無くても近所の方であれば比較的信用してもらえます。
      自治会に参加していれば、なおさら効果的です。
 ・タクシーの運転手
   → ただタクシーに乗るのではなく、せっかくの会話空間を機会を活用しましょう
 ・地元の市長
   → 市長選公開討論会を開催していれば顔馴染みのはず  
 ・地元の市議全員
   → 支援者と思ってくれると大切に扱ってくれます
 ・出身大学の地元会員名簿
   → 大きな大学の場合、同郷のつながりが深いことが多いです
 ・小・中・高の卒業者名簿
   → 生まれ故郷に住んでいる方にとっては有力なリストです
 ・青年会議所のOB名簿
   → 自分や身近な人が青年会議所メンバーであれば強力なリスト
 ・知っている教育委員会の方々
   → 教育委員会委員は関心を持ってくれやすい
 ・自治体に教わった教育委員会の方々
   → 知り合いだけでなく、知らない人にも広げるのがコツ
 ・PTA
   → 教育や子育てのテーマには関心が高い方が多い
 ・幼稚園のお母さんネット
   → 子供が小学校に進学しても幼稚園時代のお母さん達の絆は深いもの
 ・犬の散歩で出会った方
   → 散歩途上で会釈を交わすだけの関係でも、思い切って一声かけてみましょう
 ・その他、出会った全ての方
   → あらゆる出会いを、集客の機会と捉え、声をかけることです

 

 (2)クチコミの心構え

  全ての空き時間はクチコミに使いましょう
   ・待ち時間を利用して、外出先からでも携帯を使ってひたすらかけ続ける
   ・外出中に出会った全ての人が見込み来場者であると考え、声をかける

 (3)クチコミ必携グッズ

  ●声かけリスト(電話番号、ファクス番号、メールアドレス)
  ●携帯電話
  ●あっという間に私信になる、「○○さま」を記入をしたチラシ
    →その場でチラシに相手の名前を書き込んで手渡しする 

<解説:私信チラシ>
 合同・個人演説会のチラシを不特定多数の人に配布することは公選法で禁止されています。しかし、相手を特定して手渡し、あるいはダイレクトメールすることは個人間の私信ですので禁止されていません。そこで、あらかじめ「○○さま」を記入をしたチラシを用意しておき、その場で○○の部分に相手の名前を記入して渡せば、あっという間に私信の出来上がりです。私信であれば、合同個人演説会のことを書面でお知らせできます。

 なお、電子メールで送る場合には、不特定多数に送信するメーリングリストやメールマガジンでは私信になりません。また、To:やCc:に複数の名前を記載した場合にも私信とみなされないことがありますので、To:には原則1名のみ記載し、1通づつメールしましょう。

 


2007年10月22日

 



Q.
 
私は新聞にコラムを連載しています。その原稿の中で合同演説会開催に触れてもいいでしょうか?(「○日にはどこどこでこういう催しがあるらしい、ぜひ行ってみませんか」など)
 

A.
  厳密にいうと、これは公職選挙法に抵触する可能性があります。

裁判で負ける可能性は少ないですが、そこまでのリスクを負えない場合は、むしろこの問題をコラムで真正面からとりあげ、「・・・という理由でここでは記載できない。○日の新聞報道を見るか△まで問い合わせるといい。」としておけばいいでしょう。

合同個人演説会の告知に関する公職選挙法の制限については、Q&Aの「合同・個人演説会の広報にチラシやポスターを利用できますか」に詳しく書いてありますので、そちらを参照してください。


 

 



 



Q.
 
いわゆるタウン誌(タウンニュース)や、フリーペーパーへ、合同・個人演説会の会場、日時、出演者、企画運営団体連絡先等を掲載してもらうことは可能ですか 
 

A.
 告示・公示前であれば掲載できます。
 告示・公示後(選挙期間中)は、これらメディアが無料の場合は掲載できないので、ほとんどのタウン誌や、フリーペーパーは掲載不可能です。

<詳細>
1. 広告としては一切掲載できません (公選法149条)
2. それらメディア自身による報道、論評であれば、以下の条件を満たせば掲載できます。
なお、記者会見や取材応対などで企画運営団体からメディアに情報を提供したとしても、結果的にメディア自身が報道する形式になっていれば問題ありません。
(1)告示・公示前
・選挙の公正を害さないこと(公選法148条-1)
・メディアの発行形態については規制なし(つまり自由)
(2)告示・公示後(選挙期間中)
・選挙の公正を害さないこと(公選法148条-1)
・メディアの発行形態については、以下を全て満たすこと(公選法148条-3-1)
イ.新聞は毎月3回以上、雑誌は毎月1回以上、有償頒布していること。
ロ.第3種郵便物の承認のあること。
ハ.当該選挙の選挙期日の公示又は告示の日前の1年間、イ及びロに該当し、引き続き発行するものであること。
ただし、1年以内に新刊されたメディアであっても、イ.ロ.ハ.を満たす新聞社、雑誌社等が新刊し、イ.とロ.を満たしていればOK。(公選法148条-3-2)

 


2010年5月2日

 


 



Q.
 
合同・個人演説会の会場で、「選挙運動用ビラ」、「選挙運動用ハガキ」は配れますか?

リンカーンフォーラムのQ&Aには、「選挙運動用ハガキ」「マニフェスト」の2つは可能だが、他のチラシは公選法上不可になっているとあります。
しかし、「選挙運動用ビラ」は選管の証紙があるので、選挙期間中の配布は問題ないと思う、と陣営の方、選管の方から言われました。逆に、「選挙運動用ハガキ」は 郵便で送付するもので、配布ではなく回収するものだ、とも言われました。

A.
 ここでの対応として、
配れるかどうか、という法の解釈論に固執するのは賢い選択ではありません。むしろ、配るべきかどうか、という視点がより重要です。
結論を言えば、合同・個人演説会の企画運営団体としての主体性を持ち、
 「候補者個人のビラもハガキも配らない
 「配るならマニフェストだけにする
ことで、各陣営と合意するのがベストです。

つまり、リンカーンフォーラムのQ&A
候補者陣営が用意した資料を配布してよいですか?」が最良・最善の回答です。

代表者陣営会議で上記の調整をした結果どうしても折り合いがつかず、「候補者の権利として認められている配布物は配りたい」と全陣営が合意した場合にのみ、配布物を何にするかについて、選管の指示に従うといいでしょう。

実際はリンカーン・フォーラムのQ&A(総務省の解釈に準拠)が正しくて、当質問の事例に登場する選管や各陣営の「問題ないと思う」という曖昧な回答が間違っています。

●法令(公選法142条文書図画の頒布)
   (公選法施行令第109条の6 ビラの頒布方法)
では、

 【ビラ】  配れる  (法律用語では「頒布」できる)
 【ハガキ】 配れる

と書いてあるように読めます。

●しかし、総務省選挙部が監修している公選法の解説書(リンカーン・フォーラムはこれに準拠)には

 【ビラ】  配れない
 【ハガキ】 配れる 

とされています。

 ■原文■
   「選挙運動のために頒布できる文書図画は選挙運動用ハガキに
   限られているため、個人演説会場でビラやチラシを頒布することは
   できません。(公選法142条関係) 」

このように、「法令」と「総務省の解釈」が異なる場合、「総務省の解釈」が優先するのが現実です。

ところが、さらに「総務省の解釈」と「選管の指示」が異なる場合には、「選管の指示」に従うと、現場の運用はスムーズに運びます。
「選管の指示」の間違いを指摘し、「総務省の解釈」を採用するためには、選管を説得できるレベルの法令知識と、時間、忍耐力、交渉力が必要です。

リンカーン・フォーラムでは、選管の指示の誤りが公開討論会や合同個人演説会の開催に大きなダメージを及ぼす場合には徹底的にそれを正し、ほぼ100%希望通りに実施できていますが、このケースの場合はそこまで力をかけて固執するほどのメリットはありません。
もし配るのであれば、「マニフェスト」を配ることに力点をおくといいでしょう。



 



Q.
 
合同・個人演説会のビデオ撮影をしたいと申し込まれた場合はどうすればいいですか?

 

A.
  公開討論会とは異なり、合同・個人演説会の場合は、撮影したビデオを不特定多数に配ると、公選法違反になります。
(1)このため、一般の聴衆のビデオ撮影は禁止したほうが良いです。
(2)
各候補者と実行委員会が【記録を目的として】撮影することは可能です。
(3)テレビ局が【公正な報道を目的として】撮影し、報道することも可能です。

参考:公開討論会のビデオ撮影をしたいと申し込まれた場合はどうすればいいですか?

 



 

 



Q.
 
合同・個人演説会を途中退席する候補者がいるので、設問に対する回答をその候補が予め記入した用紙を、退席後に会場で発表することは問題ありませんか?

 

A.

(1) 合同・個人演説会では、公選法の規制により、その回答用紙を会場で配布できません。
(2) その候補者の退席後に、その候補が指名した代理人、あるいはコーディネーターが回答用紙を代読することは、公選法上は問題ありません。しかし(3)の問題があります。
(3)

上記の(2)で公選法上の問題はなくとも、以下2点が問題となります。
可能/不可能 か
ではなく、 するべきか/否か の観点から、しないほうがいいでしょう。

 

1. リンカーン・フォーラムは、原則として機会の公平を旨としており、結果の公平は不公平と考えます。

途中退席する方は、退席後の質問に対しては自らの意思で回答放棄するのです。にも関わらず、退席した候補の文書を代読する行為は途中退席候補の分身を生み出すことに近く、その候補の選挙運動を助長すること捉えられてもおかしくありません。つまり、全時間参加する候補に対して不公平です。

リンカーン・フォーラムの基本姿勢は常に、機会の公平です。
公平に与えた機会を利用するかどうかは候補者の判断であり、結果として、その機会を利用しない候補がいたとしてもそれは決して不公平ではありません。

なお、リンカーン・フォーラムは、世の中に結果の公平という考え方があることも否定しません。しかし、リンカーン・フォーラムの1000回以上の経験で、公開討論会の運営においては、機会の公平は常に成功し、結果の公平が常に失敗することは明らかです。
この事実を肝に銘じてください。

※ただし、総選挙時の閣僚クラスのように新人の応援で自分の選挙運動すらままならない方の場合には、機会の公平について特別な配慮が必要です。詳細はQ&A「候補者に閣僚クラスがいる場合の取り扱いを教えてください」を参照。

 

2. 他の候補者はおそらく同意しません

どの候補者も生き馬の目を抜く選挙を戦っているのです。
途中退席候補を利する上記提案には、まず同意しないでしょう。

また、結果の公平を重視する主催者は、フル出席の候補者から見れば不公平と思われます。そう思われてしまったら、出席の意思表示をしてくれていた候補者も不参加に転じてしまうリスクが大です。実績のない初心者の場合は特に気をつけるべきです。

 


2007年10月22日

 



Q.
 
合同・個人演説会で要約筆記をスクリーンに投影できますか?

 

A.
  合同・個人演説会で要約筆記をスクリーンに投影することができます。かつては禁止されていましたが、2013年のネット選挙解禁で解禁されました。   

公開討論会や合同・個人演説会で、聴覚障害者のために手話通訳を用意することはよくありますが、最近では要約筆記を用意する機会も増えてきました。

要約筆記をご存知ですか?

手話の最大の難点は、高齢になってから聴覚障害になった、あるいは突然の病気や事故によって聴覚を失った人にとっては手話の習得が非常に難しいということです。

そこで、これらの聴覚障害者や難聴者のために、講演などを、その場でワープロで入力をしたり、OHPに手書きして、スクリーンに映し出し、普通の文字で見せる通訳方法を要約筆記と呼びます。

 

【ご参考】
合同・個人演説会での要約筆記のスクリーン投影は、2013年のネット選挙解禁まで禁止されていました。これが解禁されるまでには、全国の有志や議会での法改正に向けた働きかけの長い道のりがあります。
以下の記事(灰色枠内)は、かつて当コーナーに掲載していた内容で、もはや過去のものですが、解禁されるまでの道のりをまとめたものなので、記録のために残しておきます。


選挙期間中に開催する「合同・個人演説会」の場合、手話通訳は認められているにも関わらず、要約筆記で候補者の発言をスクリーンに投影することは公選法で禁止されているのです。
(公開討論会では禁止されていません)

その公選法の条文は第143条2項です。

公職選挙法 第143条2項(文書図画の掲示)
------------------------------------------------
「選挙運動のために、アドバルーン、ネオンサイン又は電光
による表示、スライドその他の映写等の類を掲示する行為
は、前項の禁止行為に該当するものとみなす」
------------------------------------------------

このため、2002年の(出直し)長野県知事選合同・個人演説会および同年の塩尻市長選合同・個人演説会では、要約筆記をスクリーンに投影することに対して選挙管理委員会からストップがかかりました。

うち、塩尻市長選合同・個人演説会では、要約筆記をスクリーンに投影するのではなく、希望者ひとりひとりにPCとモニター画面を貸し出して、要約筆記をパソコンから直接見る「パソコン要約筆記」という苦肉の策で乗り切ったそうです。
しかし、この「パソコン要約筆記」にも、自分の障害(プライバシー)を公にしなければならない(PC貸与を受けた人は障害者だとわかるため)という問題があり、コストも大きく膨らむため抜本的な解決にはなっていないのが現状です。


そこで、公選法143条2項を改正し、選挙のための合同・個人演説会などの発言内容を要約筆記でスクリーンに投影するための意見書が、塩尻市議会をはじめ各議会で可決されており、全国都道府県議会議長会でも可決、2003年5月の第156回通常国会でも議論されています。

法改正の動きはすでにプロの手に委ねられておりますが、
私たち公開討論会主催者は
「合同・個人演説会では要約筆記投影が禁止されている」
という事実を認識しておきましょう。
また、様々な機会を通じて法改正を後押ししましょう。


<<参考情報>>

選挙活動における要約筆記通訳の認定に関する請願
選挙活動における要約筆記通訳の認定に関する請願」補足説明
第156回通常国会
2003年5月30日 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会
(1)聴覚障害者のための個人演説会の要約書記

毎日新聞ユニバーサロン 聴覚障害者を締め出す選挙
聴覚障害者の選挙と情報保障
難聴者の生活
「選挙の要約筆記「解禁」意見書 相次ぐ議会可決」『信濃毎日新聞』
全国都道府県議会議長会 第121回定例会議決で可決した要望


2017年03月26日改訂

 



Q.
 
合同・個人演説会で、行政基礎データをスクリーンに投影できますか

 

A.
  
『マニフェスト型公開討論会マニュアル』で推奨している行政基礎データ は、合同・個人演説会で、スクリーンに投影できます。

なぜなら、公選法第143条2項が禁止しているのは「選挙運動のため」の文書図画をスクリーンに投影する行為であり、『マニフェスト型公開討論会マニュアル』で作成方法を提示している行政基礎データは、特定候補を当選させるものではないので、「選挙運動のため」の文書図画ではないからです。

公職選挙法 第143条2項(文書図画の掲示)
------------------------------------------------
「選挙運動のために、アドバルーン、ネオンサイン又は電光
 による表示、スライドその他の映写等の類を掲示する行為
 は、前項の禁止行為に該当するものとみなす」
------------------------------------------------

ある選挙の合同・個人演説会において、地元選挙管理委員会が第143条2項を曲解し、行政基礎データのスクリーン投影の禁止を指導されたことがあります。上述の説明を選管に行ったところ、すぐにご理解いただき、許可されました。

 


2017年03月26日改訂

 



Q.
 
合同・個人演説会の会場外に「○○選挙合同個人演説会」と記載した立て看板を掲示してよいですか?

 

A.
  掲示できます。
  公職選挙法でも特に禁止されていないと、政府が公式に答弁しています。

 



 



Q.
合同・街頭演説会を開催する時の注意点を教えてください


A.
 選挙期間中に、屋外で開催する場合は、合同・街頭演説会となります。
屋外で開催することの注意点は「Q.屋外の会場で公開討論会を開催する時の注意点を教えてください」と同様です。
 また、選挙期間中に開催することの注意点は合同・個人演説会とほとんど同じです。
 ただし、合同・街頭演説会は選挙期間中に街頭演説を合同で開催するために、以下に掲げる、公職選挙法の街頭演説ならではの規制を守る必要があります。

  なお、合同・街頭演説会には、各候補の選挙カーを並べて行う方法と、選挙カーを伴わずに開催する方法があります。特に明示しない限り、守るべき規制は同じです。

  • 立候補の際に交付される「街頭演説の標旗」(のぼり旗)を掲げる。
  • 拡声器を使う場合は、立候補の際に交付される 「拡声機の標旗」を張り付ける
  • 選挙カーを伴わない場合は、候補者の氏名または氏名が類推されるような事項を表示した文書図画のぼり旗、プラカード)を掲示することはできない。ただし候補者本人は、候補者氏名が記載されたタスキの着用が可能
  • 選挙カーを伴う場合は、選挙カーに取り付けられている候補者の氏名または氏名が類推されるような事項を表示した文書図画(のぼり旗、ポスター、立札、看板など)を掲示できる。候補者本人は、候補者氏名が記載されたタスキの着用が可能。
  • 選挙運動員は候補者1名につき15名以下。選管が交付する腕章の着用義務あり。
  • 街頭演説ができる時間帯は8時〜20時まで。
  • 屋外会場では、選挙運動に係る映写(公約動画等)や、要約筆記の投影は禁止。(これらの行為は、屋内で開催の合同・個人演説会であれば可能)

【参考】選挙カーを並べて合同・街頭演説会を開催したときの記事
    (引用:2003年11月3日福井新聞)

 

2017年03月26日



Copyright(C) Lincoln Forum. All rights reserved.