公開討論会のオプション
更新日 2021年02月09日






インターネット、ウェブサイト、電子メール、SNS

告示日・公示日以降は公開討論会のウェブサイト等を閉じなければいけないのでしょうか?

公開討論会の発言を、文書でウェブサイト等に掲示してもいいですか?
公開討論会や合同・個人演説会の動画をウェブサイト等で配信できますか?
ネット選挙解禁(2013年)で、公開討論会にはどのような規制が解禁されましたか?
ネット選挙解禁(2013年)で解禁された「ウェブサイト等」とは、具体的には何を指しますか?
公開討論会等の告知に、フェイスブックやLINEを使っていいですか?
合同・個人演説会の告知に、電子メールを使っていいですか?
 
テレビ・ラジオ放送
公示日以降に当日の模様を放送してもらうのは、公職選挙法で問題ないでしょうか?

告示前に開催された公開討論会をテレビ局が録画しました。テレビ局はこの録画映像を、告示後に放送してよいですか?

市の選挙管理委員会が、告示前に収録した公開討論会の録画映像をテレビ局が告示後に放送することは違法と難色を示し、認めてくれません。どうしたらよいでしょうか?
合同・個人演説会をテレビやラジオで放送できますか?
テレビで放送する場合、ノーカット版と編集版、または素材として使うとしたら、どれが望ましいですか
公開討論会を放送する場合にCMを入れてもいいですか?
公開討論会がラジオ放送してもらえることになりました。どのような点に意識すべきでしょうか?
 
終了後の対応
公開討論会後も主催者団体の活動を続けてもいいですか?
候補者から公開討論会のアンケート結果提供を求められたら
公開討論会で来場者に行ったアンケートの集計結果を候補者に開示する場合、告示前や選挙期間中でも公選法に抵触しませんか?
公開討論会の記録として、ビデオ撮影や写真撮影を行いました。撮影した画像に一般参加者の顔が写っていたならば、個人情報保護法で何か問題があるでしょうか?

 

開催できなかったとき
出席回答が1人しかいなくて公開討論会を開けない場合、予約した会場で何か代替イベントができますか?



Q.
 
告示日・公示日以降は公開討論会のウェブサイト等を閉じなければいけないのでしょうか?
 

A.
 ネット選挙解禁(2013年)に伴い、公開討論会や合同・個人演説会に関する
ウェブサイト等(※)は、告示日・公示日以降も掲示し続けることができるようになりました。

 

2015年2月25日改訂






Q.
 
公示日以降に当日の模様を放送してもらうのは、公職選挙法で問題ないでしょうか?
 

A.
  リンカーン・フォーラム方式のように中立・公平な公開討論会を、テレビ局が脚色せず、ドキュメントとして放映するのであれば、公職選挙法、および放送法では一切問題ありません。このことは公選法
第151条の3(選挙放送の番組編集の自由)で明記されています。
公示日以降はテレビ局の選挙運動の放送が制限(151条-5)されています。 しかし、この規制は、「公選法に規定する場合は対象外」です。公開討論会や合同・個人演説会の告示日以降の放送は公選法151条の3で規定されており
、151条の3の範囲内であれば、151条-5に縛られることなく放送の自由が認められていることを、自治省選挙課の理事官が証言しています。
公職選挙法151条-5で、「選挙運動放送の制限」に抵触する可能性があるというのは、放送局側の自主判断に過ぎません。問題があるとすれば、法律ではなく、テレビ局の自主規制に抵触する可能性はあります。 たとえば公開討論会ではその時点で出馬表明している方全員が出席したが、公示日になって突然立候補する方が出てきた場合、テレビ局側が「公平でないので放映取りやめ」と判断を下すことはありえます。


  ※公開討論会や合同・個人演説会のテレビ放映については、テレビ局も  選挙管理委員会も誤解していることが多いので、素人判断は禁物です。
本Q&Aををテレビ局に見せ、自治省(現・総務省)選挙課の見解をテレビ局に正確に伝えましょう。
 

  ※本Q&Aに関連する公選法、放送法の条文詳細は、Q&A「合同・個人演説会をテレビやラジオで放送できますか?」を参照してください。

 ※参考記事
  選挙期間中に候補者出演によるTV討論番組が12年ぶりに実現<大阪市長選> 

(2006年9月10日 追記・改定)








Q.
 
公開討論会後も主催者団体の活動を続けてもいいですか?
 

A.
 
主催団体が、この公開討論会のために新たに発足した団体であれば、討論会終了後に解散すべきでしょう。

 「政治団体(の活動)とみなされるのを避けるため」というのも理由の一つですが、もっとわかりやすい問題があるからです。主催団体が活動を継続すると、どうしても次の公開討論会 までに何らかの活動目的を探すことになります。 活動目的の有力候補として挙げられるのは、「当選した首長(議員)が討論会での公約を守っているかを監視」する、いわばオンブズマン活動です。 オンブズマン活動は、それ自体はとても大切なのですが、公開討論会主催者が自ら行ってしまうと問題が生じます。

 それは、仮に公開討論会主催者がオンブズマンとして当選首長の行政活動を 監視すると、どうしても現在の行政と反対の立場を取らざるを得ない場合が生じ、これは首長としても気持ちのいいものではないからです。時として「そんなに俺の行政に文句をつけるなら次の公開討論会 には出てやらないぞ」という事態になってしまうでしょう。このような事を避けるために、主催団体は継続しない方がいいのです。では、これまでの公開討論会の経験や実績、ノウハウをどのように 継承すればいいでしょうか? そのためには、地域での公開討論会支援グループを新たに結成し、 そのグループによってこれまでの経験を継承しながら地域に公開討論会を普及、推進していくとよいでしょう。このような地域の公開討論会支援グループは全国規模で広がっています。

 地域での支援グループを都道府県程度の規模で結成すると、地域内での人脈も広がり、また開催実績も合算することが出来るので記者会見などでも有利です。 ご自分の地域で公開討論会支援グループを設立したいとお考えの方は、 リンカーン・フォーラム事務局かお近くの支援グループまでご相談ください。
 



 



Q.
 
公開討論会の発言を、文書でウェブサイト等に掲示してもいいですか?
 

A.
 ネット選挙解禁(2013年)に伴い、公開討論会の発言を”文書”で
ウェブサイト等に掲示することは、告示前はもちろんのこと、選挙期間中も可能になりました。
なお、同解禁で、公開討論会の”動画”を
ウェブサイト等に掲載することも可能になりましたが、”文書”の掲載は、動画の掲載と比較して、
 ●検索エンジン(Googleなど)で発言内容を検索することができる
 ●動画を視聴するよりも短時間で発言の全容を把握できる
などの長所がありますので、発言の文書掲載は有益です。

ただし、以下点に留意する必要があります。

1.立候補予定者との交渉について

 「発言を文書でホームページに掲載するなら、出席しない」という候補者もたまにはいるかもしれません。しかし、これはそのような意見が出てから初めて交渉すればいいことであり、最初から提案をあきらめる必要はありません。仮に、そのような候補者がいた場合、これは”公開”の討論会であり、新聞社も雑誌社もテレビ局も取材する。メディアによっては完全収録して放送する場合もある透明性の高い企画であることを説明することで、ご理解をいただきましょう。

 どうしても掲載拒否を希望する候補者がいた場合は、そちらに合わせるしかないでしょう。しかし、上記と同じで「テレビやラジオは報道の自由を認められているので放送は断れませんよ」と、やんわりと説得をしてみましょう。

2.「実際に話した言葉」と「要約文書」とのギャップについて

発言内容を要約して文書にする場合、実際に話した言葉との微妙なニュアンスの差異は絶対に避けることができません。生の公開討論会をテレビで見ても、ニュアンスはかなり違います。まして、要約になったらなおさらです。

 したがって、要約の場合、読み手の誤解を100%防ぐことは不可能です。そこでこの問題を予防するためには、発言内容を一言一句変えずに掲示することがベターです。いわゆるテープ起しです。テープ起しは重労働ですが、意図的な編集が介入する余地も無いためもっとも安全な方法です。

 

2006年9月13日
2015年2月25日改訂


 




Q.
 
公開討論会を放送する場合にCMを入れてもいいですか?
 

A.
 
CMを入れてOKです。

 まず、法的に問題ありません。次に、公開討論会主催者の立場から考えてどうかというと、注意すべき点が2つあります。

 第一に、スポンサー企業(CMを流す企業)が特定候補者を支援していないこと。これは、公平・中立の観点から当然のことです。企業組織だけでなく、社長個人と候補者の関係などにも注意してください。

 第二に、公開討論会主催者がスポンサー企業から多額の寄付を受けていないこと。私たちの公開討論会は原則として無料ですから、活動資金を捻出するために、寄付金集めと来場者からのカンパ依頼は真剣に実施すべきです。しかし、特定企業や個人から多額の寄付金(例えば運営資金の半分以上を拠出していただくなどが当たります)を受けることは、不要な誤解を招く危険があります。スポンサーは、広く浅く募るべきです。

上記2点がクリアされていれば、CMを入れて問題ありません。

 公開討論会を放送するテレビ局は、制限だらけの公職選挙法と、選挙報道の自粛を定めたテレビ協会の自主規制の中で、勇気を奮って放送してくれています。そんなテレビ局もまた営利企業ですから、まったくCM(=スポンサー)なしで放送して欲しいというのは、主催者側のエゴになるでしょう。私たち公開討論会主催者は、リンカーン・フォーラムの理念に反しない限り、公開討論会を育てようという志をお持ちのあらゆる個人、企業、マスコミ、行政、政治家、その他機関と共存共栄し、Win-Winの関係を築いていくことが大切です。
 



 






Q.
 
公開討論会がラジオ放送してもらえることになりました。どのような点に意識すべきでしょうか?
 

A.
 ラジオは音声のみの放送であること、また、番組を途中から聴くリスナーもいることを意識したつくりにすることが重要です。
特にコーディネーターは、次のような運営が出来るようにしましょう。

● 回答を促す時に、「はい、次の方どうぞ」とするのではなく、候補者名をひとりひとり丁寧に読み上げる
 → 来場者には候補者の顔や名札が見えますが、ラジオリスナーには見えないので

● 質問を読み上げるのは最初の1回だけでなく、候補者が一巡する途中で、最低一回は繰り返し同じ質問を読み上げる
 → 番組を途中から聴くリスナーにも、現在の質問内容が分かるように

●最後の演説で候補者がスタンドマイクに向かって歩いている時間などには、「ただいま、ステージ中央のスタンドマイクでお一人づつ最後の一言をお話いただいています。次は○○さんです。」というように、臨場感が伝わる補足説明を入れる。

 



 



Q.
 
出席回答が1人しかいなくて公開討論会を開けない場合、予約した会場で何か代替イベントができますか?
 

A.

呼びかけた立候補表明者のうち、出席回答が1人しかいなかった場合には、公開討論会を開けなくなります。主催者は、予約した会場のキャンセルや、開催中止の広報、そして、広報がいきわたらずに当日来場された方へお詫びなどの具体的な問題に直面することになります。

そこで、公開討論会の名目として予約した会場を代替イベントとして活用する、一つの事例をご紹介します。

公開討論会を開催できない場合:
 1部:シンポジウム形式 「市民参加型の政治をつくるために」
    立候補表明者以外のパネリスト(地元の有識者など)
 2部:市民フォーラム
    コーディネーターの仲介による、
    立候補表明者以外のパネリスト(地元の有識者など)と、
    会場の市民との討論会

 ・公開討論会が開けなかったことについての議論はしない
 ・公開討論会に出席しなかった人への個別的な批判はしない
 ・一方的な議論はしない
 ・これからのわが街をどうしたいのか、これからの社会をどうしたいのか、などについて建設的な意見を出す
 ・ この討論会には立候補表明者は誰も出席しない。

つまり、公開討論会ができない場合でも、市民フォーラムというイベントをする形をとります。
2部においては、シンポジウム的にパネリストに半分くらいの時間を使って建設的な提言をしてもらいます。後半は、会場からの意見や質問も受けます。
その時に、
 ・一方的な批判をする場ではないこと、
 ・
これからのわが街や日本社会をどうするのか
という建設的な意見だけを出してもらうようにコーディネータから何度も説明します。

立候補表明者による公開討論会が開催できなかったので、立候補表明者を一人も入れない形で、市民によるこの町をどうするという討論会を開催するわけです。

こうすれば、公開討論会を開催できなくても会場でイベントが開かれますから、会場の予約をキャンセルせずに活用できますし、公開討論会の宣伝をし続けておくことができます。なお、「公開討論会が開催できない場合には市民フォーラムとなる」ということを前もって知らせておくことは必要です。

2部で、ある陣営から一方的な批判が出続けるということを注意することが必要です。状況によっては発言を止める必要があります。コーディネータの力量が求められます。
不安な場合には、会場からの発言は無しにして、シンポジウム形式や講演会だけで終えてもいいかもしれません。

この代替措置をとるには、欠席回答した候補者の非難や、出席回答した候補者の得点稼ぎにならないように厳格に中立を保つ必要があります。実施を検討される場合は、リンカーンフォーラムや各地の地域支援窓口に前もって相談されることをお薦めします。



 



Q.
 
候補者から公開討論会のアンケート結果提供を求められたら
 

A.
 
候補者のひとりから公開討論会のアンケート結果提供を求められた場合の基本的な考え方として、依頼を受けた候補者だけでなく、全出席者にアンケートの集計結果を提供すると良いでしょう。

集計は、アンケート回答者個人が特定できないように統計的に処理を施し、たとえ、特定候補者や主催者に対して批判的な意見があっても、ありのままを提供すると良いです。

なお、主催者代表の中には、候補者からアンケート集計結果の提供依頼を受けようと受けなかろうと関係なく、必ずアンケート結果を全候補者に、お礼状を添えて提出している方もいます。
そのような代表は、会場の率直な声を候補者に届けることこそ、主催者として候補者への礼儀であると心得ているからです。

そのような代表は、候補者から感謝の言葉と大きな信頼を得ています。



2006年9月13日

 



Q.
 
公開討論会で来場者に行ったアンケートの集計結果を候補者に開示する場合、告示前や選挙期間中でも公選法に抵触しませんか?
 

A.
 
アンケート(※)の集計結果を、公開討論会に出演いただいた候補者に開示するのはとても良いことです。候補者からも、しっかりした主催者だと、大変喜ばれるものです。

そして、アンケートの集計結果を公開討論会に出演いただいた候補者に書面で開示することは、公選法でも問題ありません。告示前でも、選挙期間中でもOKです。

開示時期は、公開討論会が終了してからできるだけ早いタイミングが望ましいです。


※ アンケート
 ここでのアンケートとは、公開討論会に関するアンケートを指します。 → 参考書式

 仮に「どの候補者が一番良かったか」という目的でアンケートを取得し、
 開示すると、公選法(第138条の3人気投票の公表の禁止)に抵触する
 可能性があります。




2006年9月13日
2021年2月9日一部改訂

 



Q.
 
公開討論会の記録として、ビデオ撮影や写真撮影を行いました。撮影した画像に一般参加者の顔が写っていたならば、個人情報保護法で何か問題があるでしょうか?
なお、撮影は記録を目的としているため、どこか外部に流れるということはありません。

A.
 記録を目的としており、第三者への提供を行わないのであれば
問題ありません。

 



2011年2月11日改訂

 



Q.
 
合同・個人演説会をテレビやラジオで放送できますか?

合同・個人演説会のテレビ放送をケーブルテレビ局に依頼したところ、「NHKの政見放送のようにあらかじめ決められた時間内に編集したものを放送するならよいが、合同・個人演説会の放送は公選法に抵触する」と断られてしまいました。合同・個人演説会は放送できないのでしょうか?

A.
 公職選挙法で、合同・個人演説会(公開討論会も)の放送は、
  1)事実をゆがめて放送しない
  2)放送法の規定に従う
 を満たせば、テレビもラジオも自由に放送できます。

 上記のケーブルテレビ局は、公選法を誤解しています。
 
むしろ、公選法には上記条件を満たせば、「選挙運動の放送は自由」と書いてあります

公職選挙法 第151条の3(選挙放送の番組編集の自由)
--------------------------------------------------------
 この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する
規定
(第138条の3(人気投票の公表の禁止)の規定を除く。)は、
日本放送協会又は一般放送事業者が行なう選挙に関する報道又
は評論について放送法の規定に従い放送番組を編集する自由を
妨げるものではない
。ただし、虚偽の事項を放送し又は事実を
ゆがめて放送する等
表現の自由を濫用して選挙の公正を害し
てはならない

-------------------------------------------------------

なお、公選法の第150条の1(政見放送)には
「録画した政見をそのまま放送しなければならない。」
と規定されているので、本質問にあるようなテレビ局の誤解を招きやすいのですが、第150条の1(政見放送)はあくまでも政見放送のみを規制しているのであり、合同・個人演説会の放送の自由は第151条の3(選挙放送の番組編集の自由)で保証されています。

では、放送法では政治番組に何を規制しているかと言うと、

放送法 第3条の2(国内放送の放送番組の編集等)  
--------------------------------------------------------
放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、
次の各号の定めるところによらなければならない。
1.公安及び善良な風俗を害しないこと。
2.政治的に公平であること。
3.報道は事実をまげないですること。
4.意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度
  から論点を明らかにすること。
--------------------------------------------------------

となっており、ここでも公平で事実をまげないことが放送の条件です。

リンカーン・フォーラム方式で実施される公開討論会及び合同・個人演説会は上記放送法の1.〜4.を全て満たしているため、ノーカット放送すれば公職選挙法上も、放送法上も全く問題なく放送できます

このことは総務省選挙課に確認済みです。

実際に合同・個人演説会を選挙期間中にテレビやラジオで放送した事例は豊富に存在します。詳細はリンカーン・フォーラムのHP「TV・ラジオ放送記録」でご確認ください。

 ※参考記事
  選挙期間中に候補者出演によるTV討論番組が12年ぶりに実現<大阪市長選> 



2006年9月13日

 



Q.
 
テレビで放送する場合、ノーカット版と編集版、または素材として使うとしたら、どれが望ましいですか
 

A.
 ノーカット版が最も望ましいです。なぜなら
編集、または素材として使う場合は、政治的に公平、事実を曲げない、対立意見を出来るだけ多くの角度の論点から明らかにする、などの条件を満たすことが放送法で規定されており、編集でこの条件を客観的に満たすのはなかなか難しいです。
したがって編集する場合は、主催者挨拶やルール説明をカットする程度にとどめるか、全員の発言が同じ巡回回ったところでカットするのが一般的です。




 



Q.
 
公開討論会や合同・個人演説会の動画をウェブサイト等で配信できますか?
 

A.

 公開討論会や合同・個人演説会の動画をウェブサイト等で配信できます。具体的には以下の通りです。

1.動画配信できる内容

  • 公開討論会(告示前に開催)、合同・個人演説会(選挙期間中に開催)のどちらも、動画配信可能です。

2.動画をアップロードできる期間

  • いつでも(公示前、選挙期間中、選挙終了後)、動画をアップロードできます。 ただし、選挙当日だけは、動画をアップロードしたり、アップロード済みの動画を更新することが禁止されています。

3.動画を配信できる期間

  • いつでも(公示前、選挙期間中、選挙終了後)、動画を配信できます。

4.配信できる動画の種類

  • 収録済みの動画を事後的に配信することも、生中継も可能です。

5.動画配信する際の義務、禁止事項

  • 動画を配信するウェブサイト等に、その動画掲載者の電子メールアドレス等(電子メールアドレス、返信用フォームのURL、ツイッターのユーザー名等)を表示する義務がある。
  • 選挙当日に動画をアップロードしたり、アップロード済みの動画を更新することは禁止。
  • 動画サイトの有料インターネット広告を行うことは禁止。
  • 候補者が公開討論会主催者に、ウェブサイト等への公開討論会の動画掲載に係る報酬を支払うことは禁止。

 



2006年9月13日
2011年2月11日一部改訂
2015年2月25日大幅改訂


 



Q.
 
ネット選挙解禁(2013年)で公開討論会にはどのような規制が解禁されましたか?


A.

 インターネット等の普及に鑑み、選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図るため、インターネット等を利用する方法による選挙運動が解禁されました。(2013年5月26日施行)。
これに伴い、公開討論会等の規制も一部解禁されました。

 そこで、リンカーン・フォーラムではネット選挙解禁に伴う公開討論会等の規制解禁についてとりまとめ、発表しました。

 ネット選挙解禁は、主として合同・個人演説会に対する規制の一部が解禁されます。 要約すれば、ウェブサイト等の利用は原則解禁され、電子メールの利用は引き続き禁止されたままです。
また、合同・個人演説会で解禁されたと誤解されがちな、従来通り維持される規制もありますので、注意が必要です。

【概要】ネット選挙解禁に伴う公開討論会等の規制解禁

【詳細】ネット選挙解禁に伴う公開討論会等の規制解禁

 参考文献:インターネット選挙運動の解禁に関する情報(総務省)




2015年2月25日

 



Q.
 
ネット選挙解禁(2013年)で解禁された「ウェブサイト等」とは、具体的には何を指しますか?


A.

 ネット選挙解禁(2013年)で解禁された「ウェブサイト等」とは、インターネット等を利用する方法のうち、電子メールを利用する方法を除いたものを指します。具体的には以下の通りです。

  • ホームページ
  • ブログ
  • SNS(フェイスブック、ツイッター、LINE等)
  • 動画共有サービス(YouTube、ニコニコ動画等)
  • 動画中継サービス(Ustream、ニコニコ生放送等)

なお、現在提供されている手段はもちろん、今後現れる新しい手段も利用できます。

 




2015年2月25日

 



Q.
 
公開討論会等の告知に、フェイスブックやLINEを使っていいですか?


A.

 公開討論会等の告知に、フェイスブックやLINEを使って使ってよいです。(改正公職選挙法第 142 条の 3 第 1 項))
ネット選挙解禁(2013年)に伴い、これら行為に「フェイスブックやLINEなどユーザ間でやりとりするメッセージ機能」を利用することが認められました。
ただし、以下の禁止事項があるので、注意してください。

  • 合同・個人演説会の告知については、告知可能となるのは公示・告示日になってから。公示・告示日以前に告知することは事前運動となるため禁止。
  • フェイスブックやLINEを、印刷して配ることは禁止。

 




2015年2月25日

 



Q.
 
合同・個人演説会の告知に、電子メールを使っていいですか?


A.

 企画・運営団体や一般有権者が電子メール を利用して合同・個人演説会を不特定多数に告知すること(頒布すること)は禁止です。

【ノート】

  • フェイスブックやLINEなどユーザー間でやりとりするメッセージ機能は、電子メールではないので、合同・個人演説会の告知に利用できます。
  • 企画・運営団体や一般有権者が電子メールを利用して合同・個人演説会を告知できる方法は、知っている人に送信相手を特定した私信のみです。私信は頒布ではないため、もともと公職選挙法第 142 条(文書 図画の頒布)の規制対象ではないからです。

 




2015年2月25日

 



Q.
 
告示前に開催された公開討論会をテレビ局が録画しました。テレビ局はこの録画映像を、告示後に放送してよいですか?


A.

 リンカーン・フォーラム方式のように中立・公平な公開討論会を、テレビ局が脚色せず、ドキュメントとして放送するのであれば告示後の放送が公職選挙法、および放送法で認められています。全く問題ありません。
詳細は、「Q.公示日以降に当日の模様を放送してもらうのは、公職選挙法で問題ないでしょうか?」を参照してください。

 




2017年3月26日

 



Q.
 
市の選挙管理委員会が、告示前に収録した公開討論会の録画映像をテレビ局が告示後に放送することは違法と難色を示し、認めてくれません。リンカーン・フォーラムのホームページを提示して説明しても埒があきません。どうしたらよいでしょうか?


A.

 この選挙管理委員会の指示は正しくないですが、公職選挙法はあまりにも複雑なため、選管職員でも誤った解釈をすることが時々起こります。
(参考:このことは、選管向けの機関誌にも掲載されています。)

 そこで、このような事態での選管との交渉のポイントは以下の通りです。

  1. 選管職員が難色を示す理由が公選法・放送法の誤った解釈だったとしても、そのこと自体は論点にしない。そうではなく、選管職員は、公選法・放送法を正しく理解しているからこそ、両法律が放送して良い条件と定めている「公平で事実をまげない」放送が行われないと違法になることを心配して、親身にアドバイスしてくれているのだとの論点に誘導し、選管と合意する。
  2. この条件を、主催者とテレビ局の責任で担保するのであれば、放送前の時点で違法とは言い切れないという点で、選管と合意する。
  3. ここまで交渉がまとまれば、放送する。まとまらなかったら、上位の自治体の選管か、総務省選挙部選挙課に相談する。

 この交渉にはコツが必要なので、主催者単独で判断せずに、公開討論会相談室、またはリンカーン・フォーラムの各地域の支援窓口に直接ご相談ください。

 




2017年3月26日

 



Copyright(C) Lincoln Forum. All rights reserved.