マニフェスト型公開討論会
更新日 2011年02月11日


 

1. マニフェスト関連用語の解説
ローカル・マニフェストとは何ですか
新聞などで解説されているマニフェストと、リンカーン・フォーラムがマニフェスト型公開討論会で取り扱うマニフェストとでは何が異なるのですか
2. 公開討論会の型式
マニフェスト型公開討論会とは何ですか
マニフェスト志向型公開討論会とは何ですか
国政選挙で公開討論会や合同・個人演説会を開く場合のお薦め型式はありますか
国政選挙でマニフェスト型公開討論会を開催するための条件は何ですか
3. 運営
選挙期間中の公営施設でのローカル・マニフェスト配布が可能な理由を詳しく教えてください 

マニフェスト型の合同・個人演説会で、行政基礎データをスクリーンに投影できますか? 
4.

マニフェスト関連公選法改正(2007年2月)

地方首長選挙の公開討論会で配布できるローカル・マニフェストは何ですか
国政選挙の公開討論会で配布できる政党マニフェストは何ですか
5. オプション
公開討論会主催者は、マニフェスト検証会とどのように関わったほうがいいでしょうか
首長選挙直前にマニフェスト検証会を開いてよいですか

 



Q.
 
ローカル・マニフェストとは何ですか
 

A.
 
マニフェストには様々な解釈があり、特に「ローカル・マニフェスト」については公職選挙法(2005年5月現在)でも、その存在が想定されていません。そこで、リンカーン・フォーラムでは以下の定義を採用します。

マニフェスト型公開討論会におけるローカル・マニフェストの定義>

 地方首長選挙で当選して首長となったときに、実際にどのような政策や職務執行を地域で行うのかについて、あらかじめその具体的項目や手法等を提示したもの。個々の施策について財源や実施期限が明示され、事後的な検証が可能であることが望ましい。

 



 



Q.
 新聞などで解説されているマニフェストと、リンカーン・フォーラムがマニフェスト型公開討論会で取り扱うマニフェストとでは何が異なるのですか

 

A.
 
 新聞などでは一般的に「マニフェスト(manifesto)」のことを、「政策の@数値目標、A達成期限、B財源、C実行の手順 を明記した公約」 と解説しており、「政策綱領」「政権公約」などと訳されます。
 ただし、これは政党による選挙が主流であり、個人で立候補するという風土がない英国で使われているマニフェストの定義を直輸入した解釈です。
 英国では地方選でも政党がマニフェストを作成しますが、日本の地方自治体の選挙では政党の公認を受けない個人・無所属の立候補が多く、政党や政策シンクタンクのような政策立案専門組織を持っていないことが普通であるため、上記4つの項目を全て網羅して提示するのは難しいのが現状です。
 そのため、日本の地方選挙でマニフェストを提示する場合、「事後検証可能なもの」であれば、上記4つの基準を必ずしも厳格に適用するのではなく、徐々に適用していくのが望ましいとリンカーン・フォーラムでは考えています。
 



 



Q.
 
マニフェスト型公開討論会とは何ですか
 

A.
 マニフェストを中心的な題材として行う公開討論会をマニフェスト型公開討論会と呼び、次のとおり定義します。

全国の自治体首長選挙、国政選挙に際し、政治的に中立な組織による運営の下で行われる「公開討論会」※1のうち、立候補予定者(もしくは候補者)がそれぞれ有権者に向けて提示する「マニフェスト」に着目し、これを題材として具体的な政策論議に重点を置いて実施されるもの。実施にあたっては、すべての参加者に対して、マニフェスト自体の定義や役割などについて、誰にでも分かりやすい説明が行われたうえで、討論に入ることが望ましい。
※1選挙期間前における候補予定者による討論会、もしくは選挙期間中における合同演説会


 



 



Q.
 
マニフェスト志向型公開討論会とは何ですか
 

A.
 マニフェスト志向型公開討論会を一言で表すと、「マニフェスト冊子を来場者に配布しないマニフェスト型公開討論会」です。したがって、プログラムの構成やコーディネーターの進行方法は、マニフェスト型公開討論会と同じです。


1.マニフェスト型公開討論会との共通点、相違点

 マニフェスト志向型公開討論会では来場者にマニフェスト冊子を配布しません。しかし、来場者にマニフェスト冊子を配布するマニフェスト型公開討論会でも、討論中の候補者が「それではわが党のマニフェストを説明しますのでお手元の○ページをご覧ください」などと、マニフェスト冊子の参照を促すことはほとんどありません。
(きっと短い発言時間を限りなく有効に使いたいからでしょう)
 したがって、マニフェスト冊子を配布しなくても、マニフェスト型公開討論会の進行とはほとんど変わりません

 ただし、あえてマニフェスト志向型公開討論会の進行上の注意点を挙げれば、来場者の手元にマニフェスト冊子が無いために来場者が知ることのできない数値情報をコーディネーターや候補者は意識的に口頭で補うといいでしょう。
 また、グラフなど視覚情報を補うために、候補者にフリップボードを提示させるのも有効ですが、Q&A「候補者にフリップボードの使用を許可してよいですか?」を考慮してください。


2.通常の公開討論会(政策提言型公開討論会)との共通点、相違点

 マニフェスト志向型公開討論会を、通常の公開討論会(政策提言型公開討論会)と比較した場合、プログラムの構成はほぼ同じですが、主催者の事前準備事項やコーディネーの進行方法等は大きく異なります。

(1)プログラムの構成

 プログラムの構成については、『マニフェスト型公開討論会マニュアル』の関連頁を参照してください。

 4-7.主催者はマニフェスト比較表を作成しない
 4-8.質問内容の作成

 なお、首長選の公開討論会のプログラムで、現職の実績評価を問う時間を用意する場合があります。これと同様に、マニフェスト志向型公開討論会では、与党が前回の国政選挙で提示した政党マニフェスト、あるいは現職首長が前回選挙で提示したローカルマニへストの達成度を評価する時間を用意すれば、即席のマニフェスト検証会にもなります。
プログラム構成の際に考慮するといいでしょう。


(2)主催者、コーディネーターの事前準備

 マニフェスト志向型公開討論会の主催者は、事前準備として、各政党・候補者のマニフェストをWebサイトや新聞などから丹念に収集し、整理する必要があります。
そして、これらの情報を元に、何を質問するかの大枠を決めます。
また、これらの情報は、コーディネーターの手元資料になります。

 コーディネーターの事前準備として、主催者が用意したマニフェスト資料を十分に読みこなします。これだけでは情報が不足していると思った場合には、各政党、官僚、行政担当者、懇意の新聞記者、有識者等にヒアリングして、マニフェストや現状についての正確な情報の十分な理解に務めましょう。そして、これらの予習をもとに、当日の詳細な質問内容を考えます。

(3)コーディネーターの当日の進行方法

 コーディネーターの当日の進行方法は、マニフェストを強く意識したものとなります。詳細は『マニフェスト型公開討論会マニュアル』の関連頁を参照して下さい。

 4-9.コーディネーターとの調整



2010年5月2日
2010年5月4日一部改訂

 



Q.
 
国政選挙で公開討論会や合同・個人演説会を開く場合のお薦め型式はありますか
 

A.
 国政選挙では以下の型式を推奨します。 
  公示前:マニフェスト志向型公開討論会
  公示後:マニフェスト型合同・個人演説会

国政選挙で開催可能な公開討論会の型式(主なもの)と特徴を表1に示します。
推奨する優先順位は次の通りです。
  第1位 マニフェスト型合同・個人演説会
  第2位 マニフェスト志向型公開討論会
  第3位 マニフェスト型公開討論会
  第4位 政策提言型公開討論会
  
最も推奨する型式は「マニフェスト型合同・個人演説会」です。
安全に政党マニフェスト冊子を配布できる上、選挙期間が長い国政選挙では投票日の近くに開催できるメリットが大きいからです。
さらに、突然の解散総選挙などでも準備時間にゆとりが持てます。
また、参議院選は選挙面積が広大なので複数個所で開催することが強く望まれますが、合同・個人演説会であれば企画運営団体に費用負担がかからないので、予算を心配せずに複数開催ができることも大きなメリットです。

推奨の第2位は「マニフェスト志向型公開討論会」です。
候補者に「個人の口約束」ではなく、「事後検証可能な政権公約」としての位置づけで発言させるため、現実的な政策論争が期待できるメリットがあります。また、政党マニフェスト冊子を会場に配布しないので、安全かつ容易に開催できるメリットも大きいです。

第3位の「マニフェスト型公開討論会」は、公示前に政党マニフェスト冊子を配布することが公選法で規制(全面禁止ではない)されている点が短所です。このため、リンカーン・フォーラムでは、安全面の配慮から、2009年総選挙までは国政選挙でのマニフェスト型公開討論会の開催を禁止していましたた。しかし、総務省や各地選管への確認の結果、公示前の合法的な配布条件が明確となったので、2010年参議院選から一定条件の下に解禁しました。詳しくは「国政選挙でマニフェスト型公開討論会を開催するための条件は何ですか」を参照してください。

最下位の「政策提言型公開討論会」は個人の政策を討論の中心とするので、もはや国政選挙には向きません。ただし、補欠選挙などではいいでしょう。また、地方選挙では依然として有効な型式です



 



Q.
 
国政選挙でマニフェスト型公開討論会を開催するための条件は何ですか
 

A.
 国政選挙で、公示前にマニフェスト型公開討論会を開催するための条件を、リンカーン・フォーラムでは、その選挙区の公開討論会に参加を呼びかける全ての立候補予定者との間で、所属政党の選挙運動性の無いマニフェスト」を会場で配布することに合意したとき、とします。

この条件には大切なポイントが2つあります。

 第1に、各政党は、「選挙運動性があるマニフェスト」とは別に、「選挙運動性の無いマニフェスト」を作成しなければなりません。「選挙運動性があるマニフェスト」とは公選法第142条の2(パンフレット又は書籍の頒布)で選挙期間中にのみ配布可能なものとして具体的に定められているものです。
 一方で、「選挙運動性の無いマニフェスト」は公選法第142条(文書図画の頒布)により、選挙運動性を排除することによって公示前の配布を可能とするものです。「選挙運動性の無いマニフェスト」の作成には、本Q&A「政選挙の公開討論会で配布できる政党マニフェストは何ですか」に示す特別な技術が必要になります。間違って「選挙運動性があるマニフェスト」を公示前に配布してしまうと、その政党は公選法違反になってしまうので極めて注意が必要です。

 また、この方法が合法的であることは2009年時点ではほとんど周知されていなかったため、選管の担当者から「公示前の政党マニフェスト配布は一律に禁止」との誤った指導を受ける可能性があります。そこで主催者は十分に本Q&Aをマスターしなければなりません。

 第2に、各政党は、政党や県連の方針・戦略等で、「選挙運動性の無いマニフェスト」を作成しない可能性があります。また、小政党や無所属候補の場合は予算の都合で作成できない可能性もあります。

 このような事情のもと、公開討論会で「選挙運動性の無いマニフェスト」を配布する政党と配布しない政党があると、公平感を欠く事になります。したがって、全ての立候補予定者との間でマニフェスト配布についての合意が得られなければなりません。

 ちなみに、2009年総選挙で「選挙運動性の無いマニフェスト」を作成し公示前に配布した政党は、リンカーン・フォーラムが知る限り一政党のみでした。しかし、2009年総選挙で国民の政党マニフェストへの関心は大幅に高まったことから、2010年以降の国政選挙で「マニフェスト型公開討論会」が開催できる条件が整う見込みは大きく前進したと考えられます。

 


2010年5月2日

 



Q.
 
選挙期間中の公営施設でのローカル・マニフェスト配布が可能な理由を詳しく教えてください
 

A.

1)合同・個人演説会では(個人演説会でも)
2)公営施設で開催する場合
3)【確認団体】が
ローカル・マニフェスを配布するのは禁止
   → 201条の13の第3号で禁止されている

  【企画・運営団体】がローカル・マニフェスを配布するのは可能
   → 201条の13の第3号で「企画運営団体」については
      何も禁止されていない。

です。 
 したがって、合同・個人演説会は、選挙期間中に公営施設でローカル・マニフェストを配布できる、非常に数少ない貴重な機会なのです。このことは、合同・個人演説会のメリットを候補者にアピールできる重要な情報です。
 【マニフェスト型公開討論会マニュアルより】

これは、専門家(一部の選管、弁護士、大学教授、プロの選挙スタッフなど)でもほとんど知らない事実です。その理由は公職選挙法(第201条の13)が非常に難解なためです。

第201条の13は、禁止されていることと、認められていることが複雑に入り組んでいるので、順を追って正しい解釈を解説します。

公職選挙法
 第14章の3 政党その他の政治団体等の選挙における政治活動
 第201条の13 
----------------------------------------------------
 政党その他の政治活動を行う団体は、各選挙につき、その選挙の
期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に限り、
政治活動のため、次の各号に掲げる行為をすることができない。

ただし、第1号の連呼行為については、この章の規定による政談
演説会の会場及び街頭政談演説の場所においてする場合並び
に午前8時から午後8時までの間に限り、この章の規定により
政策の普及宣伝及び演説の告知のために使用される自動車の
上においてする場合並びに第3号の文書図画の頒布については
この章の規定による政談演説会の会場においてする場合は、
この限りでない。


1.連呼行為をすること。
2.いかなる名義をもつてするを問わず、掲示又は頒布する
文書図画(新聞紙及び雑誌を除く。)に、当該選挙区(選挙区
がないときは、選挙の行われる区域)の特定の候補者の氏名
又はその氏名が類推されるような事項を記載すること。
3.国又は地方公共団体が所有し又は管理する建物(専ら職
員の居住の用に供されているもの及び公営住宅を除く。)に
おいて文書図画(新聞紙及び雑誌を除く。)の頒布(郵便等
又は新聞折込みの方法による頒布を除く。)をすること。

----------------------------------------------------

1)【確認団体】(政党その他の政治活動を行う団体)は
  「公営施設」で文書図画を頒布することができない
  (第3号

2)ただし、「政談演説会」の会場だけは、
  【確認団体】が「公営施設」で文書図画を頒布してよい
  (第201条の13の本文

ここで第201条の13の本文で、【確認団体】に文書図画の頒布
が許可されているのは「政談演説会」の会場だけです。
「個人演説会」も「合同個人演説会」も、文書図画の頒布は
許可されていません。

したがって、「個人演説会」と「合同・個人演説会」の会場では、
第3号が生きており、「公営施設」で文書図画は頒布できないのです。

繰り返します。

1)【確認団体】(政党その他の政治活動を行う団体)は
  「公営施設」で文書図画を頒布することができない
  (第3号

です。

ところが、第3号が禁止しているのは
【確認団体】が「公営施設」で文書図画を頒布することです。

【企画・運営団体】が「公営施設」で「文書図画」を頒布すること
については一切禁止していません。

したがって、
「合同・個人演説会」であっても
【企画・運営団体】であれば、「公営施設」で文書図画を
頒布できるのです。

<参考情報1>この条文で規制されている文書図画について

公職選挙法 第14章の3 政党その他の政治団体等の選挙における政治活動 第201条の13は、【確認団体】が選挙期間中に行ってよい政治活動を規定しています。確認団体は、選挙期間中であっても、選挙運動性が無い文書図画を配布することができます。
したがって、この条文で規制されて文書図画は、候補者陣営が配布する選挙運動のための文書図画のことではなく、選挙運動性が無い文書図画のことです。

選挙運動性が無い文書図画の一例として、純粋に政治活動が目的のローカル・マニフェストが挙げられます。


<参考情報2>
本情報は2005年千葉県知事選で、千葉県選挙管理委員会からご指導いただいたものです。さらに2006年長野県知事選においても長野県選挙管理委員会が追認しています。




 




Q.
  
地方首長選挙の公開討論会で配布できるマニフェストは何ですか
 

A.
 
 2007年2月21日に公選法の一部が改正され、首長選におけるローカル・マニフェストの配布解禁されました。この法改正伴い、地方首長選で配布できるローカルマニフェストは、公開討論会と合同・個人演説会とでは、かなり異なるものになりました。

■地方首長選で配布可能なローカル・マニフェストと討論会形式■
   
1. 告示前公開討論会
  選挙運動性の無い」マニフェストを配布するマニフェスト型公開討論会として開催できる
  ※1 従来の『マニフェスト型公開討論会マニュアル』は原則として変更なし
  ※2 マニフェストの配布様式はA4版1枚のビラを推奨する
   
2. 告示後合同・個人演説会
  選挙運動性のある」マニフェストビラを配布するマニフェスト型合同・個人演説会を開催できる
   
3. マニフェストの「選挙運動性の有無」に関する理解の重要性
  首長選におけるマニフェストについては今般の法改正以前から告示前に配布が認められていた「選挙運動性の無い」マニフェストと、今般の法改正で告示後にのみ配布が認められた「選挙運動性のある」マニフェストの2種類が存在することになった。
両者の違いを『マニフェスト型公開討論会マニュアル』に従って正確に理解し、公開討論会では誤って「選挙運動性がある」マニフェストを配布しないように十分注意する必要がある。
  ※3 公開討論会で「選挙運動性がある」マニフェストを配布することは違法。
  ※4 JCの場合、違法行為を行うとほぼ確実に公益法人取り消しとなるので十分な注意が必要
   
■詳細解説■
マニフェスト配布解禁以降のマニフェスト型公開討論会の開催方法留意点
 

2010年5月2日レイアウト改訂

 



Q.
  
国政選挙の公開討論会で配布できる政党マニフェストは何ですか
 

A.
  国政選挙では、公示前の公開討論会で、選挙運動性のない政党マニフェストを配布できます。選挙運動性のない政党マニフェストとは、以下条件を整備した政党の政策論集のことです。

(1)選挙名が特定されていない
「第22回参議院議員選挙マニフェスト」は選挙名が特定されるので使用禁止
「2010年○○党マニフェスト」はOK
 
(2)候補者名が特定されていない
(3)投票依頼を書いていない
「あなたの一票で良い日本を創りましょう」は投票依頼になるので使用禁止
「比例区は○○党へ」は投票依頼になるので使用禁止
(4)「公約」という表現を使っていない
「政権公約」、「選挙公約」は公約になるので使用禁止
「政権政策」、「重点政策」、「マニフェスト」はOK

 


2010年5月2日

 



Q.
 
公開討論会主催者は、マニフェスト検証会とどのように関わったほうがいいでしょうか
 

A.
  公開討論会の主催者がマニフェスト検証会に直接関わることには慎重に課題をクリアして取り組むべきです。それをクリアするのがリンカーン・フォーラム型マニフェスト検証討論会です。

 なぜなら、評価型でのマニフェスト検証会をして首長の成果を採点することは、首長に対しての距離や価値観を主催者も明らかにすることになるので、今後の公開討論会活動に支障が出るからです。特に青年会議所(JC)は、現職とともにまちづくりにに歩もうとしているのですから、JC活動そのものに支障となることがありえます。

 リンカーン・フォーラム型マニフェスト検証討論会は、マニフェストに書かれていることをさらに実現するために首長と市民とが一緒になって何ができるのかを討論するものです。評価ではなく、現在の状況を首長とともに確認して、修正する部分は何なのか、そしてそれはなぜなのかを議論するとともに、これからさらにマニフェストに書かれていることを実現するには何をどうするのか、を建設的に討論するというものです。

詳細は、「マニフェスト検証への公開討論会主催者の取り組みについて」 をご覧ください。

※本内容は、2010年2月28日に改めました。


2010年2月28日

 



Q.
 
次回の首長選挙は、現職が無投票当選となる可能性が高いので、公開討論会は開かずに現職のローカル・マニフェスト検証会を開こうと考えています。何か問題はありますか。

 

A.
 首長選挙の直前に、現職首長のローカル・マニフェスト検証会を開催することは避けるべきです。その理由は以下の通りです。

(1)公職選挙法で禁止されている事前運動に抵触する可能性があるから

(2)選挙になった場合は、とくに事前運動とみなされる可能性が高まり、社団法人から公益社団法人への移行を目指す青年会議所などは、移行できなくなる危険があるから

(3)選挙になった場合に、新人陣営からマニフェスト検証会の主催者が現職寄りとみなされてしまい、新人が当選した場合に、次回の選挙で公開討論会に出席拒否される可能性があるから

特に、青年会議所はマニフェスト・サイクルを回す運動を全国的に展開していますので、4年間のマニフェスト・サイクルのゴールとして選挙直前にローカル・マニフェスト検証会を開催したいと考えがちなのでご注意ください。

マニフェストの本家、英国では選挙直前にマスコミや与野党が競って現政権のマニフェスト検証を行いますが、英国にはそもそも選挙期間や事前運動という概念がないので問題にはなりませんから、これと混同してはいけません。

また、英国のように”国政”選挙の直前に、政権与党のマニフェスト検証を行うのであれば、日本で行ったとしても、特定候補に対する評価では無いので事前運動とはみなされる可能性は低いでしょう。
しかし、”首長”選挙の直前に、現職首長のローカル・マニフェストを検証し、そこに有権者を呼んでくる行為は、その現職を当選させるために行われる事前運動とみなされる可能性が高いことを肝に銘じなければなりません。

現職のローカル・マニフェスト検証会を行う場合は、当選後3年目あたりを最後とすべきです。
そして、選挙直前では、公開討論会の中で現職の前回のローカル・マニフェストを各候補から評価してもらうことができますので、なんとしてでも公開討論会の開催を目指しましょう。


 



2011年2月11日

 

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