公開討論会の企画 (3)
自治体・明推協との協力関係、屋外での開催、 投票率との関係、注力ポイント
更新日 2020年12月22日



1.自治体・明推協等との協力関係
自治体等から後援等を得られた例はありますか? 
明推協から後援等を得られた例はありますか? 
自治体や明推協に公開討論会の後援を依頼するにはどうすればいいですか?
自治体や明推協に後援を申請する場合の審査基準や、後援を受ける場合の条件はありますか?
リンカーン・フォーラムは自治体等との協力関係はありますか?
リンカーン・フォーラムは明推協との協力関係はありますか?
2.屋外での開催
屋外の会場で公開討論会を開催する時の注意点を教えてください
合同・街頭演説会(屋外)を開催する時の注意点を教えてください
3.投票率との関係
公開討論会を開くと投票率が上がるって本当ですか?
なぜ公開討論会を開くと投票率が上がるのでしょうか?
公開討論会が投票率向上に与える影響を、データで示してください
投票率向上の実績がある選挙啓発活動は、公開討論会の他にありますか?
ネット討論会では投票率向上は期待できないというのは本当ですか?
4.注力ポイント
公開討論会の主催者としての成功基準は何ですか?
公開討論会の推進活動の中で、最も力を入れる活動は何ですか?
なぜ集客に一番力を入れなければならないのでしょうか?

 



Q.
自治体等から後援等を得られた例はありますか?

A.
リンカーン・フォーラム方式の公開討論会に対して、以下の自治体から後援等を得られています。

1.茨城県牛久市長選選公開討論会(2007年)
主催:
(社)牛久青年会議所
後援:茨城県牛久市、リンカーン・フォーラム

※会場施設利用料金を半額に減免   

2.山梨県河口湖町長選公開討論会(2007年)
主催:(社)富士五湖青年会議所
後援:山梨県河口湖町、リンカーン・フォーラム
※会場の無料貸与、回覧板による討論会チラシの町内回覧、
討論会前日・当日の防災無線での告知など

3.佐久市総合建設会館賛否を問う市民討論会(2010年)
主催:長野県佐久市
後援:リンカーン・フォーラム
※ リンカーン・フォーラムが佐久市から依頼を受け、本市民討論会が公平・中立に
運営され、市民の皆様に適切な判断材料を提供できるように、本市民討論会の
運営をサポートするとともに、コーディネーターを派遣。

4.山梨県富士河口湖町長選公開討論会(2011年)
主催:(社)富士五湖青年会議所
後援:山梨県富士河口湖町、富士河口湖町明るい選挙推進協議会、
リンカーン・フォーラム
※会場の無料貸与、回覧板による討論会チラシの町内回覧、
討論会前日・当日の防災無線での告知など
※2007年に続き、2期連続の自治体からの後援受諾

5.岩手県九戸村長選公開討論会(2012年)
主催:(社)カシオペア青年会議所
後援:岩手県九戸村、リンカーン・フォーラム

     ※1名のみの出席のため開催は中止

6.山梨県山中湖村長選公開討論会(2012年)
主催:(社)富士五湖青年会議所
後援:山梨県山中湖村、リンカーン・フォーラム

    

7.埼玉県議選埼玉北3区公開討論会(2015年) 
主催:(公社)こだま青年会議所
   後援:埼玉県本庄市、神川町、上里町、リンカーン・フォーラム

8.埼玉県議選埼玉北4区公開討論会(2015年)
主催:(公社)こだま青年会議所
後援:埼玉県美里町、リンカーン・フォーラム

9.山梨県富士河口湖町長選公開討論会(2015年)
主催:(公社)富士五湖青年会議所
後援:山梨県富士河口湖町、リンカーン・フォーラム
※2007年,2011年 に続き、3期連続の自治体からの後援受諾

10.山梨県山中湖村長選公開討論会(2016年)
   主催:(公社)富士五湖青年会議所
後援:山梨県山中湖村、山中湖村教育委員会、リンカーン・フォーラム
※自治体と教育委員会のW後援は史上初

 


2016年12
月04日

 



Q.
明推協から後援等を得られた例はありますか?

A.
リンカーン・フォーラム方式の公開討論会、関連企画に対して明推協(全国各地の明るい選挙推進協議会)から協力を受けた実績は次の通りです。(2011年12月31日現在
 ご覧の通り、協力の形態は「後援」にとどまらず、明推協自身が「主催」した公開討論会や、「企画・運営」した合同・個人演説会まであります。

1.青森県倉石村長選公開討論会(2000年)
主催倉石村明るい選挙推進協議会

2.青森県六ヶ所村長選公開討論会(2001年)
主催:六ヶ所村長選で公開討論会を実現する村民の会
共催六ヶ所村明るい選挙推進委員会

3.青森県天間林村長選公開討論会(2002年)
主催:天間林村長選挙で公開討論会を実現する村民の会
後援天間林村明るい選挙推進協議会
後援:公開討論あおもりフォーラム

4.群馬県議選(藤岡市選挙区)公開討論会(2003年)
主催:(社)藤岡青年会議所
共催さわやか選挙推進協議会
後援:公開討論会ネットワークぐんま

5.長野県中川村村議選合同・個人演説(2006年)
企画・運営中川村明るい選挙推進協議会

6. コーディネーター養成講習会「応用コース」(2011年)
主催:(社)裾野青年会議所
後援裾野市明るい選挙推進協議会

7.静岡県議選(裾野市選挙区)公開討論会(2011年)
主催:(社)裾野青年会議所
後援裾野市明るい選挙推進協議会

8.山梨県富士河口湖町長選公開討論会(2011年)
主催:(社)富士五湖青年会議所
後援富士河口湖町明るい選挙推進協議会
山梨県富士河口湖町、
リンカーン・フォーラム

 


2011年12月31日

 



Q.
自治体や明推協に公開討論会の後援を依頼するにはどうすればいいですか?

A.
明推協(全国各地の明るい選挙推進協議会)への後援依頼方法を説明します。自治体等への依頼方法も原則として同様です。

1.交渉のポイント

 ●依頼内容、説明内容等は文書で提出する。
●直接会ってご説明する。(電話、郵送などで済まさない)
●何度も何度も窓口に足を運んで丁寧にお願いする。
●1回断られてもあきらめずに辛抱強くお願いする。
●選挙に関する中立性を最重視する明推協としては、数ある民間の公開討論会企画や選挙
啓発運動の中から、今回申請の 企画の公平・中立性を審査する基準が無いために審査で
きないことが多い。その場合は、過去に明推協で後援を得られた際の条件を逆提案する。
●後援が下りなくても当たり前位の気持ちで臨む。 
今回後援が後援が下りなくても、公開討論会を成功させ 投票率が向上すれば、次回の公開
討論会で後援申請をする時の支援材料となると、気持ちを切り替える。


2.用意する資料

 (1)後援申請書
   ※明推協に申請様式がなければ、市町村の申請様式を転用する。

 (2)対象の公開討論会の説明文書
   @公開討論会開催趣意書
A発起人名簿
Bタイムスケジュール
Cその他(チラシ、リンカーン・フォーラムの後援承諾書など)

 (3)後援申請補足ファイル

No.
資   料
ファイル
@ 『選挙』誌 2010年8月号(都道府県選挙管理委員会連合会刊)
リンカーン・フォーラムの挑戦〜進化する公開討論会を目指して〜」
A 『私たちの広場』誌 290号((財)明るい選挙推進協議会刊)  
本当に投票率を向上させる現場の舞台裏
B 『私たちの広場』誌 307号((財)明るい選挙推進協議会刊)
公開討論会を考える
C 『私たちの広場』誌 313号((財)明るい選挙推進協議会刊)
明るい選挙推進全国大会報告
※リンカーン・フォーラムが啓発事業事例として報告
D 公開討論会12月31日までの開催回数
E 後援依頼団体の、投票率向上活動例
・過去に実施した公開討論会のアンケート・新聞記事
・実際その選挙における投票率など

 ※以上@〜Eを印刷して、インデックスを付けて、一冊のファイルにまとめると良い

 (4)後援の前例集(最新のもの)

No.
資   料
リンク先
@ 明推協が主催、共催、後援、企画運営した公開討論会
A 自治体が後援した公開討論会
B 公益性が認められ会場費が無料・減免になった公開討論会
C その他
・リンカーン・フォーラムが地元の選管・明推協の研修会で講演した実績
・明推協の平成22年度「明るい選挙推進優良活賞」を受賞した実績 など

  前例集のサンプル (2011年2月現在。申請時には上表で事例を最新化しましょう)

3.依頼のステップ

 (1)最初に、各市町村の役所の職員さんに話を持っていく
(注:県知事選や県議選でも、市町村の役所に行く)

 (2)市町村の明推協が後援に前向きであるにもかかわらず、県の明推協が難色を示している
場合
は、市町村の明推協からその原因を聞き出し、原因を解消する資料を追加提出する。
また、市町村の選挙管理委員会委員長からの後押しを依頼する。

 (3)後援に対する条件が提示された場合は、内容を吟味の上、可能な限り受け入れる。

 


2011年3月20日

 



Q.
自治体や明推協に後援を申請する場合の審査基準や、後援を受ける場合の条件はありますか?

A.
(1)後援の審査基準

全国共通の審査基準はありません。(2011年3月現在)。このため選挙に関する中立・公平性を最重視する自治体や明推協としては、申請された団体が本当に中立・公平な団体であるか審査しにくいため、後援をしにくい現状があります。
そこで、次の審査基準を参考としていただくように提案してみましょう。

(1)リンカーン・フォーラムの後援条件
・代表に対して4つの条件をつけている
(2)各自治体が保有する、公営施設を無償で貸与、または費用を減免できるとする条例
・知事や市町村長が「公益上の理由」「特別な理由」と認めた場合に適用となる

 (2) 後援の条件

条件無しで後援いただける場合もあれば、条件がつく場合もあります。
条件がついた場合の事例をひとつ提示します。
これは今後の後援の条件の目安になるでよう。

 

「裾野市明るい選挙推進協議会」が、平成23年静岡県議選(裾野市選挙区)公開討論会を後援した際に付した条件

1.
『○○選挙公開討論会』の使用に限る。
2.
経費は主催者で負担すること。
3.
開催期日までに公に立候補の意思表明をしている者全てに出席依頼をすること。
4.

次の事由に該当したときには、当協議会は後援を打ち切る。
(1)傍聴者を除く出席者に企画の趣旨に反する言動があったとき
(2)開催期日までに公に立候補の意思表明をしている者の全員の出席を
得られないとき

 


2011年3月20日

 



Q.
リンカーン・フォーラムは自治体等との協力関係はありますか?

A.
リンカーン・フォーラムは、公職選挙法と公開討論会の関係について、その都度、全国の選挙管理員会や、総務省選挙部選挙課に確認しています。
また、自治体からの依頼を受けて、自治体が主催する「住民投票に向けた公開討論会」の開催支援も行っています。


2011年3月20日

 



Q.
リンカーン・フォーラムは明推協との協力関係はありますか?

A.
(1)明るい選挙推進優良活動賞
リンカーン・フォーラムは、(財)明るい選挙推進協議会の「明るい選挙
推進優良活動表彰」において、平成22年度の「明るい選挙推進優良
活動賞」を受賞しました。
これに伴い、リンカーン・フォーラムの活動内容は(財)明るい選挙推
進協議会から、色々な機会を捉え、広報に努めていただけるように
なっています。

 (2)Japan Voters Network
リンカーン・フォーラムは、Japan Voters Network の構成メンバー
です。
そこで、同じく同組織の構成メンバーの(財)明るい選挙推進協議会
と、投票率の向上を目指して協働する関係にあります。

 


2011年3月20日



Q.
屋外の会場で公開討論会を開催する時の注意点を教えてください

A.
屋外の会場での開催は、通りすがりの人に関心を持ってもらえるので、PR効果が期待できます。一方で、屋外ならではの注意点もあります。

1.悪天候が、候補者・参加者に悪影響を及ぼすリスクがある
   ・雨、雪、ひょう
   ・寒さ、体の冷え、くしゃみ、鼻水
   ・暑さ、熱中症
   ・花粉、PM2.5、黄砂
   ・強風

2.参加者の出入りが激しく、開催時間中の定着率は低い

そこで、以下のポイントに注意しましょう。

1.季節
  • その開催地で適温の季節を選ぶ
2.地方
  • その開催地で適温の季節を選ぶ
3.天候
  • 天気予報(長期、短期、地域限定)を継続的に確認する
  • 候補者には事前に寒暖対策、熱中症対策等の準備をしっかり伝える(例:寒いならカイロ持参、暑いなら帽子、飲み物(水筒・ペットボトル等)持参等)
  • 必要に応じて、有権者への宣伝時にも、寒暖対策、熱中症対策等の準備を促す。なお、混雑時の日傘は遠慮いただく。
  • 悪天候の場合の中止判断基準をあらかじめ作っておく。また、中止の決断は早めに行う
  • 悪天候の場合の予備として、室内会場も用意しておくと良い
4.最寄駅からの時間
  • 人通りの多い場所、人通りの多い時間帯を選ぶ
  • その観点から、主要な駅の駅前、ショッピングモールの施設内などが最適
5.屋外施設の位置づけ
  • 市民によく知られた施設であること
  • 代表的なケースとして、ショッピングモールの野外ステージ、公営施設やスーパーの駐車場、駅前広場など
6.屋外施設の形態
  • 舞台(候補者の討論用のステージ)が常設されていることが望ましい
  • 観客が観覧する場所が、ある程度周囲から仕切られている形態が望ましい
7.観客席
  • 2時間を立ちっぱなしで観るのは厳しい。ベンチや階段状のコンクリートなどの、着席可能な設備があることが望ましい
  • 寒い最中での屋外開催は地面への直座りも厳しい。なるべく避けるか、パイプ椅子等を臨時設置するほうが良い
8.トイレ
  • トイレが近くにあることが望ましい。
9.当日の集客
  • 会場の設営中も、通りすがりの人にしっかり呼び込みを行う
  • 開演したら、途中で立ち去されるのはやむを得ないと割り切り、むしろ、途中からの参加を増やすことに集中する。そのため開催中は、会場付近で継続的に呼び込みを行う。

★参考記事(引用:2009年8月7日朝日新聞)

屋外での開催の実践例

★合同・街頭演説会特有のノウハウについて

合同・街頭演説会も屋外で開催するので、注意点のほとんどは上述と同じです。 ただし、選挙期間中に開催するために特別なノウハウがあります。詳細は「Q.合同・街頭演説会を開催する時の注意点を教えてください」をご覧くださいそこで、以下のポイントに注意しましょう。こで、以下のポイントに注意しましょう。




2017年3月26日

 



Q.
公開討論会を開くと投票率が上がるって本当ですか?


A.
一定の条件のもとで、本当です。

公開討論会の開催が投票率向上に明確な効果が出ていることが、統計で示されています。

1.その地域で初めて公開討論会が開催されると、前回の選挙と比較して、平均で約10%投票率が向上しています。

2.その地域で2回目以降の討論会では、会場を満席にすると投票率は再び向上しています。

昨今では全国的に公開討論会が1回以上開かれた地域がかなり多いので、2.の「会場を満席にすれば投票率は向上する」が非常に意味のあるデータとなっています。

都道府県選挙管理委員会連合会の月刊誌『選挙』 2010年8月号(2010.8.1発行)
  「リンカーン・フォーラムの挑戦 〜進化する公開討論会を目指して〜」から引用





2020年12月13日

 



Q.
なぜ公開討論会を開くと投票率が上がるのでしょうか?


A.
なぜ、大会場でも2000人程度しか収容できない公開討論会が投票率向上に貢献するのでしょうか。

それは来場者の表情の変化に表れています。最初は評論家気取りで「誰が一番か見極めてやる」と、椅子にふんぞり返って聞いています。ところが討論が進むうちに、自分の街が大変な課題を抱えていることに気づきます。そしてその課題をこれまで放置し、自分がきちんと投票しなかったために失政が続いてきたことに気づくのです。討論の後半では誰もが前のめりになり、メモを取り出します。

そして翌日には討論会のことが新聞で大きく報道され、目覚めた有権者達はこの記事をきっかけに、討論会で学んだことを近所中に伝えていくのです。このクチコミによる波及こそが、投票率が飛躍的に増える要因だとリンカーン・フォーラムは推測しています。

都道府県選挙管理委員会連合会の月刊誌『選挙』 2010年8月号(2010.8.1発行)
  「リンカーン・フォーラムの挑戦 〜進化する公開討論会を目指して〜」から引用





2020年12月13日

 



Q.
公開討論会が投票率向上に与える影響をデータで示してください


A.
 投票率を左右する要因は公開討論会だけではありません。
 しかし、国政選挙や都道府県知事選のように選挙面積が広大な選挙区において、公開討論会が開催された自治体の投票率上昇割合が、その選挙区全体の投票率上昇割合を大きく上回っていれば、公開討論会はその選挙区の投票率向上に大きな影響を与えたと推測できます。
 なぜならば公開討論会の来場者は、開催される自治体の主催者が、その自治体の住民を中心に集めてくるからです。

具体的なケースを紹介しましょう。

(1)2009年総選挙静岡5区
 2009年総選挙で静岡5区の投票率は69.62%。前回比で1.08%上昇でした。静岡5区を構成する7市町のうち、裾野市で公開討論会が開催され、会場は800人を超す来場者で一杯になりました。この裾野市の投票率は前回比2.83%上昇となり、静岡5区全体値を大幅に上回りました。また7市町中でも最高の上昇となりました。裾野市の前回総選挙での投票率は69.47%で、かなり高かった数字をさらに引き上げたのですから、2.83%上昇は侮れない成果であり、静岡5区の投票率向上を大きく牽引しました。

(2)2005年千葉県知事選
 2005年千葉県知事選では、浦安市、東金市、成田市、千葉市、松戸市の5市で公開討論会が開催されました。どの会場もほぼ満席で、合計2,900人もの有権者が来場しました。この5市を合計すると、有権者数で全県の28%、投票者数で全県の27%にも達しますので、統計上のサンプルとして十分な数字です。

<投票結果>

  前回比 投票率
全県 +6.40% 43.28%

  前回比 投票率
浦安市 +6.09% 37.25%
東金市 −1.21% 65.84%
成田市 +7.60% 43.20%
千葉市 +5.02% 43.62%
松戸市 +6.90% 38.16% 

 東金市を除いた4会場では、投票率が上昇しています。特に、成田市と松戸市は、県の前回比を上回る上昇となり、県の投票率上昇を大きく牽引したことが分かります。
 また、東金市は投票率を下げましたが、それでも投票率が65.84%と、県投票率をはるかに上回る数字でしたので、むしろ前回の投票率が(千葉県としては)かなり高かったのであり、今回も依然、高投票率を維持したままであることがわかります。これらのことから、5市で行なわれた公開討論会は、おしなべて投票率上昇に貢献したと見ていいでしょう。

 この選挙では更に特筆すべき点があります。朝日新聞(2005年3月15日)は、「各政党、各陣営、それぞれ読み違いがあった。だが、最大の誤算は前回より6ポイント余り上昇し、43%を超えた投票率だったのではないか。3陣営とも投票日前、「30%前後」と予測していた。ここを基準にすれば、投票率にして約13%分の有権者が投票所に向かった。(中略)約13%の有権者がどの候補に向かったか。それは分からないが、その動きを政党や陣営がつかみ切れなかったことだけは確かだ。」と、報道しています。

 政党や陣営の選挙のプロですらつかみ切れなかった約13%もの有権者を、投票所に運ばせた特別な要因は、この県知事選で5回も開催された公開討論会を置いて他にないと断言できるでしょう。

都道府県選挙管理委員会連合会の月刊誌『選挙』 2010年8月号(2010.8.1発行)
  「リンカーン・フォーラムの挑戦 〜進化する公開討論会を目指して〜」から引用





2020年12月13日

 



Q.
投票率向上の実績がある選挙啓発活動は、公開討論会の他にありますか?


A.
リンカーン・フォーラムは、全国の選挙管理委員会、明るい選挙推進協会、青年会議所、NPO、諸団体などと協力し合い、共に政治・選挙啓発活動を進めています。

各政治・選挙啓発団体と長年に渡り情報交換させていただいていますが、リンカーン・フォーラムの公開討論会活動のように、投票率向上の実績をデータで示すことができる活動は、今のところ、お聞きしていません

投票率向上の実績や調査研究結果をお持ちの活動があれば、ぜひ勉強させていただきたいので、ご連絡をお待ちしています。




2020年12月13日

 



Q.
ネット討論会では投票率向上は期待できないというのは本当ですか?


A.
ネット討論会(無観客で行うネット配信のみの討論会)では、投票率向上はほとんど期待できません。

ネット討論会の問題は、見かけ上のアクセス数が多いので主催者が成功したと錯覚し、実際は投票率の向上に結び付いてないことです。

例えば、2017年にC市の市長選で開催されたネット討論会は、1万を超える多数のアクセス数を記録しましたが、投票率は逆に2%下がってしまいました。

ところが、このネット討論会の主催者が、この市長選より前に、C市で県知事選の公開討論会を開催した時には、C市で開催された公開討論会としては最多の400人を集客した結果、C市投票所の投票率は5%上がったのです。

この事実を冷静に受け止める必要があります。

 

日本初の選挙プランナーの三浦博史氏は、選挙の当選の極意は、候補者の熱を、一人ひとりから大勢へクチコミで広げていくことだと解説し、これを「熱伝導」と表現しています。

投票率を向上させる極意も、これと同じ、熱伝導です。
公開討論会を見た有権者に熱伝導を起こしてこそ、投票率が上がるのです。

リンカーン・フォーラムは長年の経験と実績で、公開討論会が有権者に熱伝導を起こさせる必須条件を知っています。

@生の候補者を見させ、生の声を伝える
A会場を有権者で満席に埋め、熱気ムンムンにする
B途中退席を禁止して、討論に集中させる

つまり満員のコンサート会場と同じ状況を作り出すのです。

すると、来場者に雨の日でも投票に行かねばという意識変革を起こし、さらに、討論を聞かなかった大勢の周囲の人にもクチコミで投票を呼びかけさせるほどの強い波及力をもたらすのです。

ネット討論会にはこれら投票率向上の必須条件が備わっていません。
したがって、残念ながら投票率向上が期待できないのです。





2020年12月14日

 



Q.
公開討論会の主催者としての成功基準は何ですか?


A.
集客5割・出演交渉3割・当日運営2割」です。

すなわち、以下が成功基準と、その配分です。

十分な集客が出来れば、5割成功
呼びかけた候補予定者全員に出席いただければ、3割成功
当日の運営で、来場者や候補予定者に満足いただければ、2割成功

これら3基準がすべて達成できれば、公開討論会は十割成功です。

また、このことは、公開討論会は集客が十分に出来てこそ成功と言えるのであり、主催者として最も重要な活動は、集客ということを意味しています。

 



2020年12月22日

 



Q.
公開討論会の推進活動の中で、最も力を入れる活動は何ですか?


A.
公開討論会主催者としての成功基準 「集客5割・出演交渉3割・当日運営2割」は、そのまま、主催者として力を入れる活動とその
比率です。

すなわち、主催者として最も力を入れるべき活動は、集客です。




2020年12月22日

 



Q.
なぜ集客に一番力を入れなければならないのでしょうか?


A.
1.会場を満席にすると投票率が向上するから

集客に一番力を入れなければならない理由はたくさんありますが、最も重要な理由は、会場を満席にすると投票率が向上するからです。
公開討論会の最大の目的は、有権者の政治啓発を通じて投票率を向上することですから、その確実な手段として、会場を満席にする必要があります。

<関連Q&A>
  公開討論会を開くと投票率が上がるって本当ですか?
  なぜ公開討論会を開くと投票率が上がるのでしょうか?
  公開討論会が投票率向上に与える影響をデータで示してください

2.来場者が多いと候補者に喜ばれるから

候補者(立候補予定者)から見れば、来場者が多いと得票に繋がるので、非常に喜ばれます。
リンカーン・フォーラムは候補者に対する「おもてなしの心」を哲学としており、会場を一杯にすることこそ、候補者への最大のおもてなしとなります。

3.主催者の集客力は、出演交渉にとっても強力なカードとなるから

候補者が公開討論会を欠席する理由の多くは、その公開討論会に出るよりも、同じ時間帯に支持者周りを したほうが票固めができるから、という心理があるからです。
しかし、支持者周りは固定票がこぼれ落ちないようにしているに過ぎず、どんなに頑張っても上限値があります。
一方で公開討論会は、候補者が純粋な新規票を開拓できる機会であり、こちらは集客次第でいくらでも新規票積み増しのチャンスが
増えます。
候補者にとって、多くの有権者の前で演説できることほどありがたいことはありません。したがって、主催者の集客力が高ければ、公開討論会は候補者にとって優先順位が一番になります。
そこで、前回の討論会で会場を満席にできた主催者は、その集客実績が、今回の出演交渉にとって強力なカードになるのです。

<関連Q&A>
  有力候補が欠席のときは人が集まらなくても仕方ないでしょうか?

4.来場者が多いと、活発な討論会になるから

来場者が多いと会場内が熱気にあふれ、候補者の弁にも力が入るため、結果として活発な討論会となります。

5.会場がガラガラだと、次回の討論会に出席してくれなくなるから

会場がガラガラの主催者は候補者に甘く見られ、次回の選挙では公開討論会よりも支持者周りを優先するという事になりかねません。
また、来場者が少なすぎたために、主催者が現職から叱られるシーンが見られることがあり、地域に根差す青年会議所等にとっては、ダメージが大きいです。
加えて、公開討論会は社会の公器という側面があるので、来場者が少ない事を新聞記事に書かれて暗に非難されるリスクがあることを知っておきましょう 。




2020年12月22日

 



Copyright(C) Lincoln Forum. All rights reserved.