5.公開討論会を終了したあとに

 

 

 

  公開討論会を終了した後に

 

 すべての公開討論会が終了した後に

 公開討論会が終了するとほとんどの場合、大変な満足を得ることが多い。多くの市民から感謝され、自分達の行ったことの意義を深く感じることだろう。途中で苦労をしたら苦労をした分だけ喜びも倍増する。
  しかしこういうイベントは終わってからもうひとふんばりして完結する。討論会が開催されるとほっとしてゆっくり休みたくもなるし、また心のどこかで祭りの後の空虚感が心に訪れることもある。しかし特に会の代表者は討論会の次の日、まだ気を抜いてはいけない。少なくとも参加してくださった候補者の方やまたマスコミ関係者、また資金的に応援をしてくださった方々、そしてともに会の運営をしてくれた仲間達にお礼の気持ちを伝えなければならない。
  特に候補者に対しては実際に出向いて行ってお礼を伝えるべきであろう。また後の人達に対しては電話で十分である。ここまで行って初めて討論会は完結する。画竜点睛を欠いてはならないし、ここまで行って本当の意味の信頼を勝ち得ることができるのである。

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 日常の活動と会の解散について

 この討論会が成功裡に終了した場合、会を解散することが惜しくなる時がある。もとより既存の団体が開催した場合は解散はないが、新たに会を発足させた場合は会を解散するか存続させるかということも議題に挙がってくる。会を存続させる時にはどのような日常活動を行っていくかが問われてくるが、この時にいささか問題が発生する危険がある。例えば市長選で討論会を実施した団体が、市長選が終了した時点で新たな市長が公約を守っているかどうか確かめるためにオンブズマン的な活動を会の永続的な活動にしようと考えたとする。これは「その思いや良し」であるが、実際には問題が発生する可能性がある。オンブズマン的な活動ということは時には現在の行政に対し反対の立場をもつ可能性がある。公開討論会は例えどんなに悪辣な政治家に対しても公的には中立を保つことが要求され、またそれが討論会の力を増幅しているのである。
  討論会の結果をホームページに掲載することはいっこうに構わないがこの討論会を実施した団体がそのまま別の活動をはじめることはあまり推薦できない。もしどうしてもしたい場合は公開討論会を開催した団体とは別の団体を設立すべきであろう。
  しかしもうひとつこの団体が日常的にできる活動がある。
  それはこの団体の主催者やメンバーが他の地域での公開討論会をサポートすることである。今日まで各地で公開討論会が開かれて、そのメンバーが地域で大いに討論会を広げていることが多い。かつてはリンカーン・フォーラムの事務局に対し全国の問題が集中していた。しかし今日地域での問題は地域で解決できるようになり、特殊な事例や単独での開催以外は本部への質問も減少してきている。最近では討論会が終了した時点ではじめて事務局へ連絡が入る場合もままある。この活動は公開討論会を広げる立場からも政治的に何の問題もない。これは大いにおこなっていただきたいし、私ども事務局も全力のサポートを惜しまない。
  ただ会としては討論会が終了した時点でいったん解散するのが良いのではなかろうか。あまり会費をとったり難しい規約をきめたりすると厄介なことになる。この討論会のノウハウさえ熟知していただければ、これは自然に広がっていくことだろう。

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