広大な面積かつ、山岳地帯の摩周湖周辺で、対象の湧水をどのように発見したか。 まず最初に、国土地理院が発行する「地形図」という、社会の授業で使う地図帳や道路地図などよりもはるかに詳細な地図を、大きな書店で買ってきます。
現地実寸に割と近い大縮尺なのでなので、広大な面積をカバーするために10枚以上購入しました。
この地形図は、大きい縮尺の図だと、どんな小さな川でも描かれている優れものです。
(GoogleアースやGoogleマップが無かった時代に、実地測量と空中写真で地道に地形図を作製した先人の努力にひたすら感謝です)
そして、地形図に描かれている川の先端を見つけます。山側の先端がその川の起源であり、すなわち湧水が湧出している場所です。これを頼りに湧水地に目星をつけます。
次に、摩周湖の水面の標高351mよりも高い場所から生まれている川は、本研究の対象から除きます。その川は、湧水が起源であることには違いありませんが、水は低いところから高いところには流れないので、その湧水は「摩周湖の滲出水」の可能性はないからです。
摩周湖は摩周外輪山のカルデラ壁で囲まれているので、そのカルデラ壁に降り注いだ雨水が、地下を伏流して湧出したり、地表を流れ出て川に注ぎ込む流入ルートもあるので、標高351mよりも高い場所で生まれている川の起源は全て「カルデラ壁に降り注いだ雨水」と推定されます。
ちなみに、地形図には、標高351mよりも高い場所から生まれている川は、ほとんどなかったと記憶しています(あまり自信がありませんが)。
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