4-10.リンカーン・フォーラム事務局への届け出
5.当日の運営
6.公開討論会が終了したら(マニフェスト・サイクルへの関与)
4.開催の準備

 

 

  5.当日の運営

 

5-1.来場者への説明

 マニフェスト型公開討論会では、実際の討論に入る前に、来場者に対して以下の説明を実施することが望ましいです。

(1) マニフェストの定義(これまでの公約とマニフェストの違い)
(2) 公開討論会の場合は、公選法の規制で「選挙公約」と発言することができないが、ここで発言されたマニフェストは、選挙になれば選挙公約になることを予定しているものと理解いただきたいこと
(3) 合同・個人演説会の場合は、公選法の規制でマニフェスト冊子に候補者の氏名を記載できないので、どのマニフェストがどの候補のものであるかの識別方法(例:確認団体の名称で識別するなど)
(4) 該当地域の現状を理解するための基礎データ(4-6.行政基礎データ作成と提示

 

[解説] 告示前の公開討論会では「公約」という言葉が使えない

 告示日前に開催する公開討論会で選挙公約を宣言すると、公職選挙法で禁止されている事前運動に当たる恐れがあります。このため公開討論会で政治課題に対する考えや解決策を質問したり発言したりするときには「公約」という表現を用いず、「主要政策」などの表現に置き換えているのは前述の通りです。

 なお、リンカーン・フォーラム方式の公開討論会では事前運動の中でも最も選挙運動性の強い「投票依頼行為」を厳格に禁止しているので、仮に「私の公約は○○です」と発言してしまったとしても「貴方の清き1票をお願いします」と言わなければ、厳密には事前運動にはなりませんが、安全のために「公約」という発言も控えていただいているのです。

 ところで、2003年4月の統一地方選では北川正恭・三重県元知事が知事選候補者にマニフェストの提示を呼びかけたため、マニフェストという用語はその年の流行語大賞になるほどマスコミで頻繁に取りざたされるようになりました。
 そして、一部の首長選出馬予定者が選挙前にローカル・マニフェストを発表し、マスコミでは選挙前にマニフェストのことを「選挙公約」と訳すことが多かったため、リンカーン・フォーラム方式をご存知の方でも「もはや選挙前に選挙公約を掲げても問題がなくなったのではないか?」と思っている方も少なからずいらっしゃると思います。

しかし、私たちは驚くべき事態に遭遇しました。
 2003年4月の統一地方選で、もっとも積極的にマニフェストを掲げていた知事のひとりである増田寛也・岩手県知事が、公開討論会のテーマに「選挙公約」としてのマニフェストを取り上げることを頑なに拒んだのです。
 理由は明快でした。
増田寛也・岩手県知事は、対立候補や悪意あるマスコミに「告示前なのに公約を発言した」と揚げ足を取られ、公選法違反の嫌疑を懸けられかねないことを懸念したのでした。

 この事態に公開討論会主催者は、マニフェストの訳を「選挙公約」ではなく「政策綱領」という表現を使うことを徹底することと、マスコミに対しては報道時に「政策綱領」という訳を使うことを要請することで切り抜けました。

 この事例からわかるとおり、マニフェストという表現には何の問題はなくても、その翻訳に「公約」という表現を使うことは、告示前に行う公開討論会では厳に慎む必要があるとともに、そのことを、マスコミ・来場者・出馬予定者に十分理解いただくように働きかけることが大切です。

 

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5-2.公職選挙法改正アピール

 これまで解説してきたように、公職選挙法の不合理な規制のため、公開討論会でマニフェストを配布することも、その公開討論会を自由に開くことすらも、大変な制約を受けています。これらの問題を解決し、民主主義を当たり前のように根ざしていくためには、公職選挙法を改正する必要があります。そして、そのためには、一般の人がこの問題を認識し、様々な手段を使って国会議員やマスコミに改正を働きかけることが近道です。
 公開討論会は、この問題を国民、政治家、マスコミにアピールする絶好のチャンスです。主催者は以下のような手段を利用して、公選法改正をアピールしましょう。

 ・ 入場時に、公選法改正チラシを配る
 ・ 場内に公選法改正ポスターを貼る
 ・ 討論開始前に公選法改正を呼びかける
 ・ 閉会挨拶時に公選法改正を呼びかける
 ・ 討論中、折に触れ説明する
 ・ アンケートで、公選法改正の必要性を問う

なお、公選法改正チラシは構想日本のWebサイトから入手できます。
構想日本
  
◇構想日本の提言 「マニフェスト」をきっかけに「公職選挙法改正」を実現しよう!

◇同、印刷用チラシ
  

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