内田 豊(リンカーン・フォーラム事務局長)
2001年5月に開催された秋田県平鹿町町長選公開討論会は、350名収容の会場が通路も含めて満席、帰った人も70人ほどいて合計550人が来場したそうです。
見事に会場があふれ返りました。
入場出来ずに帰宅された方にはお気の毒なことになりましたが、それはうれしい誤算と考えるべきで、公開討論会の会場をあふれ返させることは非常に大切なことです。
素晴らしいことに、今年(事務局注:2001年)開催された公開討論会では数多くの会場があふれ返っています。
1月 福岡県黒木町町長選 250席400人来場
兵庫県春日町町長選 600席670人来場
2月 群馬県伊勢崎市長選 1500席1700人来場
(来場者数でもリンカーン・フォーラム歴代2位)
新潟県朝日村村長選 600席655人来場
3月 千葉県知事選(浦安) 300席480人来場
千葉県知事選(柏 ) 300席482人来場
秋田県知事選 400席450人来場
5月 秋田県平鹿町町長選 350席550人来場
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公開討論会の会場に収容できる人数は、全有権者数から比べればわずかなものかもしれません。
しかし、会場があふれ返るほどの盛況となると、ほとんどの場合、選挙結果や投票率に大きな影響が現れます。簡単に言えば、投票率は向上し、会場参加者の多くが「この人に投票する」と心に決めた候補者が当選するのです。
これは、通路も埋まるような満席でムンムンの会場で討論を聞いていると、通常の会場以上に参加者の受け取り方が増幅し、それがクチコミやマスコミ報道、テレビ放映を通じて、来場しなかった人にも広く伝播していくものと推定できます。
そして、さらに私は、たとえクチコミがなくても、会場をあふれ返させるパワーと、多くの来場者が「この人が一番」と感じたパワーが、目に見えぬ波動として有権者の意識に一気に浸透していくからだと考えています。
後者は何を言っているのかと不思議に思われる方も多いと思いますが、これはいわゆる「百匹目の猿」現象と言われている科学現象で、何かの行動や認識がある程度一致するようなり、その一致の量がある臨界点を超えると、共通行動・認識が空間を越えて一気に広がる現象を指します。
これは量子力学の世界では「共鳴現象」と呼ばれ、まだ仮説の段階に過ぎませんが、その仮説を裏付ける実験結果が世界中の科学者の手によって次々と発表されているものです。
今回の小泉政権誕生のように、マスコミによって自民党員に「小泉が当選しなければ自民党はだめになる」と言う認識が伝わるような報道が繰り返されているような状況は「共鳴現象」が起こったとは言いません。
そうではなく、目に見える情報伝達手段がないにもかかわらず、生物(時として無生物も)の意識や行動が伝播する現象が共鳴現象なのです。
会場をあふれ返させると、共鳴現象が非常に起こりやすくなります。
多くの会場参加者が「当選させたい」と願う候補が当選するようになります。
公開討論会の会場をあふれ返させましょう!!
P.S.
共鳴現象のことをもっと詳しく知りたい方は
喰代栄一著『なぜそれは起こるのか 過去に共鳴する現在』
サンマーク出版 をお勧めします。