●労力(費用)
1)公開討論会は一人からはじめられる
公開討論会の企画・推進はひとりからはじめられ、ほとんどの準備が一人〜二人でできます。討論会当日には多くの運営スタッフが必要ですが、これは必ず協力者が現れるので心配ありません
2)マニュアルに従えば簡単
開催に関しては、公開討論会の標準的な開催方法をアドバイスしている「リンカーン・フォーラム」が作成した『公開討論会実施マニュアル』に書いてあるとおりに実行すれば、誰でもポイントをはずさずにスムーズに開催できます。
3)準備期間は1ヶ月
準備期間は1ヶ月で十分です。この1ヶ月間主催者は、週末はもちろんのこと、候補者やマスコミ、選管との交渉を中心に平日10日間は準備に費やす必要があります。したがって主催者には、主婦や学生のように、平日に時間が取れる人が望ましいです。しかし、サラリーマンが主催者でも、パートナーに主婦や学生、自営業者がいればこの問題は解決します。私もサラリーマンですが、私が主催した市川市長選公開討論会の準備ではパートナーが主婦だったため、私自身が会社を休んだのは、午後半日を2回だけです。なお、事前に公開質問状を作成して回答を一般配布する場合などは、公開討論会の準備とは別途、2〜3週間の準備期間が必要です。
4)費用が安い
市民オンブズマン活動などの場合、コピー代だけでも数十万円、裁判費
用や交通費もばかにならないという短所があります。これに対し、公開討論会は、マスコミを上手に活用すれば、1万円以下でも実施可能です。会場に公民館を使用し、宣伝はマスコミにしてもら
えば、必要経費は会場費(千円前後)と雑費(郵送費、コピー代)だけなのです。市川市長選公開討論会の場合はマスコミを有効に活用できなかったので宣伝費に自腹を切りましたが、それでも総費用1万8千円でした。
●期待できる効果
1)政局に影響力をもってきた
97年6月の船橋市長選では、公開討論会への出席を拒否した現職市長が落選しました。97年12月の宮城県衆議院補選では、合同個人演説会(公開討論会との違いは別の機会に説明)への出席を拒否した前評判NO.1候補が落選しました。これら候補者は新聞各紙に「敵前逃亡」と報道され、数千票もの浮動票が動いたのが原因といわれています。また97年11月の市川市長選では、公開討論会会場近辺の投票所で大
幅に投票率がアップしました。
公開討論会では候補者の人気投票を行っていないため、討論会で支持を集めた人が当選しているかは断定できませんが、討論会を聞いて支持候補が決まったり変わった例は多いようです。また、上記例にもあるように、討論会は政局に影響力をもってきました。
2)びっくりするほど人が集まる
過去、討論会を実施した会場では、どこでも人があふれかえります。討論会に、市民が高い関心を寄せている証拠です。
3)みんなが楽しい
討論会で楽しい思いをするのは、会場に足を運んだ参加者だけではありません。候補者にもとても喜んでいただいています。現職は実力をアピールできるし、新人は知名度不足、イメージ不足を一気に挽回できます。そして、何より楽しいのは主催者自身です。わすか1ヶ月間の努力でこれほどの充実感を得られる機会はなかなかありません。
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