総選挙での公開討論会の形式は、可能な限り、公示前開催の公開討論会ではなく、公示後開催の合同・個人演説会にしましょう。
その理由は2点です。
(1)超短期決戦
衆議院総選挙は、首相の解散の意思表示から投票まで1ヶ月もありません。仮に9月28日解散、10月10日公示なら、解散から公示日までわずか10日ほどしかないので、多くの選挙区では各政党の候補者の擁立が公示日直前となることが見込まれます。
特に、いわゆる小池新党の候補者擁立は大部分の選挙区で公示日直前となるでしょう。
また、野党は選挙区ごとに各政党間の擁立調整を行う可能性があるため、時間がかかるでしょう。
したがって、公示日前開催の公開討論会では、候補者が出揃っていない可能性が高いので、出演交渉が相当厳しいからです。
同様に、各政党のマニフェストが固まるのも公示日直前までかかるでしょう。そのため、公示前の公開討論会では、マニフェストによる十分な政策論争が期待しにくいです。
これらを勘案すると、公示後の開催、すなわち合同・個人演説会としての開催が、主要候補が出揃い、かつマニフェスト論争による実のある討論となる公算が高いのです。
(2)マニフェスト型選挙
「マニフェストは守られないもの」という残念なイメージが広まりつつありますが、本来はマニフェストは国民との契約であり、原則として守られるべきものです。そして、有権者側にもマニフェストを達成する政党を選挙で選び出す義務があります。
このように、本来は大事なマニフェストを、冊子で配布できるのは、公選法により公示後のみと定められていますので、合同・個人演説会だけが政党マニフェスト冊子を会場で配布できます。この1点だけとっても、国政選挙は合同・個人演説会として開催するメリットが非常に大きいのです。
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