名古屋市内の衆院愛知1−5区の候補者らによる合同個人演説会が三日、同市中区栄一の名古屋JC会館で開かれる。公示前の立候補予定者による公開討論会は各地で行われているが、公示後の候補者が集まる試みはこの地方で初めて。 政治家を選ぶ方法として公開討論会の開催を支援するNGO「リンカーンフォーラム中部」(代表・児玉克哉三重大教授)と名古屋青年会議所が企画・運営する。すでに選挙戦に入っているため、各候補者が主催する個人演説会を合同で行う形式をとる。 進行は郵政民営化法案、社会保障制度改革・少子高齢化対策、安全保障問題の三つのテーマに関し、候補者がそれぞれ見解を述べた後で補足と反論を行い、最後に出席した有権者にメッセージを述べる。個人演説会のため、公開討論会とは違って、候補者が名前入りのたすきをかけて出席することもできるという。 開始時間は1区が午前十時十五分、2区は正午、3区は午後五時十五分、4区は午後一時四十五分、5区は午後三時半で、それぞれ九十分間。1、4、5区の自民候補三人は「スケジュールが合わない」などの理由で欠席の見込みだが、企画側は「粘り強く出席を求めたい」としている。 名古屋JC会館=電052(221)8590=の会場定員は二百人。 http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20050902/lcl_____ach_____000.shtml |
自・民とも「改革」連呼 「マニフェスト(政権公約)集を会場で配れるよう準備してはどうか」「重要な政策の演説時間を長くするよう工夫したい」 和歌山市に住む橋本雅史(41)は、衆院選公示後、候補者の合同個人演説会を企画する各地の仲間らに向けてメールを送った。 「わかやま市民自治ネットワーク」代表として2000年の衆院選以来、5回の国政選挙で、候補者の公開討論会を切り回した。その経験に基づくアドバイスを広く伝えたいという。 関東の私大を出て、建設会社に勤めた。郷里の和歌山に戻って再就職し、1999年、設計事務所を構えた。自治ネットを設立したのも、その年。年金不安がきっかけの一つだった。 「独立して国民年金に替えてから保険料を重く感じるようになった。将来、戻ってくるのかなって」 保険料は現在、妻(41)と合わせて年32万6000円余り。建築デザインの仕事は波もあって、その負担は軽くない。が、国民年金の未納率は40%に近づく。厚生年金も、現役世代への将来の給付総額が740兆円と見込まれ、年金財政は危機にある。 が、少子化が進む。和歌山県の出生率は人口1000人当たり7・8人と、全国で3番目に低い。高齢者を支える世代へ、より重く負担がのしかかる。 まだ10歳と5歳の娘2人に、「海外に移住した方がいいかもしれないね」とこぼしたこともあるが、それより、政治家の政策を見極める目が必要と感じて、自治ネットの仲間26人と選挙のたび討論会を開く。
橋本らが用意した設問の一つが年金問題。衆院解散とともに内閣府政策参与を辞職し、民主党から立った新人の岸本周平(49)は「団塊の世代や高齢者に少し我慢してもらう。それでも足りないなら消費税を基礎年金に充てる」と訴えた。 対する自民党前議員の谷本龍哉(38)も財源問題を避けない。「将来的には投入する税金を増やす」と、消費税アップに触れた。 そして郵政民営化。岸本の「民間にできることは民間へ」との主張に、谷本は苦笑いして応じた。「考え方は同じ。小泉政権が掲げる改革そのもの」 前回の倍以上という330人が訪れた会場から「似てる」との声も漏れた接近ぶりは、政府の経済財政諮問会議のスタッフという岸本の経歴にも関係する。 小泉改革の舞台裏で政策づくりにかかわり、汚職事件などで批判を浴びた社会保険庁の「廃止」も進言したが、「厚生労働省側から『自民党の部会を通す自信がない』との反応が返ってきた。政策が骨抜きにされた」と岸本は振り返る。 討論会で違いが目立ったのは共産党。新人の下角力(52)は「国民年金の平均受給額は生活保護以下」と訴え、全額国庫負担による最低保障年金を提唱した。
橋本は戸惑う。「もう討論会だけでは、政策の違いが伝わらなくなるかもしれない」。各党のマニフェストを読み比べ、検証しなくてはならないと思う。 ターミナルへ、住宅街へと3候補は街を駆ける。 「改革を進める」と谷本は叫ぶ。「ほんまもんの改革を」と岸本は返す。 街頭から、連呼の応酬が聞こえてくる。 |
|
5党から5氏が出席。 衆院選の公示を翌日に控えた29日、道内の政党代表者による公開討論会が札幌市中央区の「かでる2・7」で開かれた。 出席したのは、山内恵子(社民党)、今津寛(自民党)、鈴木宗男(新党大地)、宮内聡(共産党)、逢坂誠二(民主党)の各氏。冒頭のフリースピーチに加え「日本の重要政策課題」「年金問題」「21世紀に求められる政治家像」などのテーマに基づいて、それぞれの主張を述べた。 なお、討論会の模様は、BNN-TVで動画配信を行っている。 ▼ 関連サイト http://www.bnn-s.com/bnn/bnnMain?news_genre=2&news_cd=220011027442 |
自民 4年の実績評価を 民主 道固有の問題解決 共産 庶民増税反対訴え 社民 外交・平和しっかり 新党大地 官依存の政治批判
いずれも比例区から出馬する自民の今津寛、民主の逢坂誠二、共産の宮内聡と、社民の山内恵子、新党大地の鈴木宗男の5氏が参加した。 宮脇淳・北大公共政策大学院長と水澤佳寿子・北海道フットボールクラブ取締役がコーディネーターを務め、各参加者が主張を述べた。 冒頭、各党が考える重要政策課題を、コーディネーターが指名した順に表明した。民主の逢坂氏は年金、子育てなどの少子化問題を挙げたほか、「北海道は財政再建団体転落の恐れがある。北海道固有の問題に政党としてどう取り組むか。民主党は自治の現場が、中央に殴り込むくらいの気持ちを持ち始めている」と述べた。 社民の山内氏は外交、平和、年金問題の3本柱を掲げた。「外交と平和が、しっかり実現すれば暮らしは保障される。イラク戦争は失敗だった。戦争があってはならない」と話した。 新党大地の鈴木氏は第一の柱を年金など社会保障に据えたほか、「構造改革が進んでいると言いいながら、公的料金は上がりっぱなしだ。役所主導の政治をやっているからだ」と官依存の政治を批判した。 自民の今津氏は「小泉改革の4年間の実績を評価してほしい」と切り出し、郵政民営化問題こそが改革の入り口だとした。また、「北海道の景気対策を政権与党としてしっかりやる。公共事業を確保する」と述べた。 共産の宮内氏は「庶民増税反対を訴えたい。イラク戦争も反対だ。憲法第9条を変えようという議論が始まりそうだが、共産党は9条を守る政党だ」と主張した。 どんな政治家になるのかも質問された。 宮内氏は英語で言うポリティシャン(政治屋)ではなくステーツマン(政治家)が理想で、逢坂氏は国家全体を構想する力と地方の視点を兼備した政治家とした。山内氏は土井たか子氏を挙げ、鈴木氏は公平配分型の政治家、今津氏は国家を愛する気持ちを持ちたいなどと語った。
|
「郵政が民営化されても、国民の生活は良くなりません」。千葉5区に立候補する共産党新顔の師岡徹氏がJR市川駅前でマイクを握る姿を、デジカメで連写する若者がいた。パチンコ店でアルバイトをしながら、師岡氏のホームページとブログ作りを手伝う金谷誠さん(23)だ。 遊説のひとコマは、師岡氏のブログ「情熱日記」で毎日更新される。この日の日記では主張と並んで「思いをつめこむためのリュックとドリンク剤を(遊説先で)いただきました」とお礼の言葉も。 市川市中南部と浦安市からなる千葉5区は、3人の立候補予定者がいずれも30代前半。3人の年齢を足しても100歳に満たない。ただ、無党派の都市住民が多く、若さも武器にならない。「正面から政策論争をしたい」という3氏が力を入れるのが、主張を伝えるためのホームページやブログなどのネット対応だ。 民主前職の村越祐民氏は「ステーツマン・スピリット」、自民新顔の薗浦健太郎氏は「やったろう! ケンタロー!」と題したそれぞれのホームページに、遊説報告や政策課題を毎日書き込んできた。それを支えるのは、「選挙のプロ」ではない若者たちだ。 師岡氏を手伝う金谷さんは大学を中退した。年金問題を経済学の教官にたずねると「給付が減るのは少子高齢化なので仕方がない」と言うばかり。友人には「年金払ってんの? もらえるわけないだろ」と馬鹿にされる。師岡氏と一緒に街頭に出て「僕らが声を上げることで、政治家も迂闊(う・かつ)なことができなくなるんじゃないか、という気がしてきた」という。 薗浦氏の陣営では20〜30代の支持者が「広報委員会」を作る。今考えているのは、ホームページ紹介カード。表紙に本人の名前と顔を刷るのは「おじさんぽい」との理由でやめ、自分たちのひと言を書き込むフリースペースにする予定だ。 大学生の久野大輔さん(24)は友人に誘われて参加した。「将来、ここが分かれ目だったという選挙になる気配。見てみたい」というのが理由だった。 村越氏の陣営も20〜40代の若手の出入りが多い。地元で造園業に携わる今敬之さん(31)は「ひと握りの人が私物化しているような国会が、少しでも変われば」と街頭宣伝の車をボランティアで運転する。 今月18日、薗浦氏、村越氏、師岡氏は、地元のケーブルテレビ局「テレビ市川」の番組、「5区立候補予定者討論会」(20〜26日に放映)の収録で顔をそろえた。 本番前、「若い世代は投票率、低いよね」という話が出て、「選挙に行く人が増えるよう頑張ろう」というムードになった。5区の前回総選挙の投票率は51・75%で、県内の小選挙区では最も低かった。9月5日(市川市)と8日(浦安市)に合同で個人演説会も開く予定だ。 こうした動きに、「しょせんは選挙」という見方もある。10代からの政治参加活動を進めてきた高橋亮平・市川市議(29)は「後援会や労組、政党など組織選挙の枠組みは依然、変わらない。同世代すべての受け皿にはなりきっていない」と話す。 政治のすそ野が広がると同時に、政策論争が活発になるのか。30代3人の挑戦も、30日の総選挙公示で本番に突入する。=おわり
|
香川県では今月7日、候補者の意見を直接聞くことができる合同個人演説会が初めて行われることになりました。 合同個人演説会はNPO法人でつくる「公開討論かがわ実行委員会」が初めて企画したものです。 香川県内3つの選挙区でそれぞれ候補者が同じ場所に集まって個人演説会を開き、郵政民営化や年金・福祉問題などテーマに沿って討論などを行ないます。 主催者では候補者との調整を続けていますが、できるかぎり多くの有権者の参加を呼びかけています。 開催日時は来月7日の夕方で、 ・香川1区は高松市の香川県県民ホール、 ・香川2区は丸亀市の綾歌総合文化会館、 ・香川3区は丸亀市の生涯学習センターでそれぞれ行なわれます。 http://www.rnc.co.jp/news/news.asp?nwnbr=2005083005 |
5党から6人が出席。 道内の政党代表者による衆院選に向けた公開討論会が29日、札幌市中央区の「かでる2・7」(北2西7)の大ホールで開かれる。 NPO法人「リンカーンフォーラム北海道」の主催。同NPOは有権者の投票時の参考となる政策論議の場として、国政や各自治体の首長、議員選挙の前に、候補予定者を一堂に会した公開討論会の主催や開催支援を行っている。 今回の公開討論会に出席するのは、社民、自民、新党大地、共産、民主の5党から、それぞれ山内恵子氏、今津寛氏、鈴木宗男氏、宮内聡と琴坂てい子の両氏、逢坂誠二氏の6氏。なお、公明党はスケジュールの都合から欠席となる。北大大学院の宮脇淳教授と北海道フットボールクラブ取締役の水澤佳寿子氏が、コーディネーターを務める。 予定されているテーマは、日本の重要政策課題と年金問題、21世紀に求められる政治家像など。それぞれのテーマに対し、各出席者が制限時間内に各々の主張を披露する。 入場は無料で、午後6時15分からの2時間半で行われる。なお、今回の模様は道内のコミュニティFM各局で後日放送されるほか、BNNがネットによる動画配信も行う。
|
30日公示の衆院選を前に、立候補予定者が一堂に会して政策を訴える「公開討論会」の開催を目指す動きが岡山県内で広がっている。29日には岡山4区で実施。1、2区でも検討中。ただ超短期決戦の中で準備時間が限られ、実現できるかどうかは不透明だ。 4区は、市民グループなどによる実行委員会が29日午後7時から、倉敷市民会館で実施。出馬表明している自民、民主、共産党の新人3人が参加を予定している。 3分ずつの自己PRの後、構造改革や社会保障制度改革、倉敷の課題など自由枠を含めた7項目を一問一答形式で発言してもらう。コーディネーターは元山陽新聞社論説委員会主幹の高松屋暢克・川崎医福大教授が務める。 4区での開催を後援し、公開討論会を支援するNGO(非政府組織)リンカーン・フォーラム(千葉県)によると、全国で約100カ所の開催を予定。立候補予定者の“生の声”で政策を比較して聞くことができる場として広がりを見せている。 前回衆院選でも岡山1、2区で行われたほか、市町村合併に伴う今春の首長選をめぐっても相次いだ。 今回は郵政民営化関連法案の参院否決による突如の衆院解散、総選挙。同フォーラムの内田豊事務局長は「公開討論会の開催に必要な約1カ月の準備期間が取れず、第三者の立場で主催する実行委員会の立ち上げが難しい」と打ち明ける。 1、2区はそれぞれ民主、自民の陣営が他陣営に公開討論会を呼び掛ける形で開催を模索。しかし、立候補予定者の行動日程が過密なうえ、客観性の確保を疑問視する向きもあり、開催できるかどうかは未定だ。 3、5区は立候補予定者の決定が遅れたり、対決の構図が流動的な状況のため、今のところ公開討論会の予定はない。 4区の公開討論会についての問い合わせは中村さん(070―5051―1651)か丸口さん(070―5426―2001)。 (2005年8月23日掲載) |
「千葉県で公開討論会を推進する会」(浅井明美代表)などは、県内の衆院選立候補予定者に公開討論会(公示後は合同個人演説会)の開催を呼びかけた結果、選挙期間中に1、2、5の三選挙区、五会場で、合同個人演説会が開かれることになったと発表した。 開催日時と場所は、1区=九月七日午後七時半・千葉市文化センター▽2区=四日午後四時・千葉工大、八日午後七時・八千代市民会館▽5区=五日午後七時・行徳文化ホール、八日午後六時四十五分・浦安ダイエーWAVE101。 1区の一人が不参加を伝えてきたが、2、5区では全立候補予定者が参加の意向を伝えてきているという。 問い合わせ先は浅井代表=電090(9970)5413=へ。 |
住民有志でつくる「衆院選徳島2区合同個人演説会を実現する会」(佐藤昭博代表、約10人)は29日、同選挙区の立候補予定者による合同個人演説会が9月5日に鳴門市内で開かれることになったと発表した。現在立候補を予定している4陣営とも出席する。 午後6時半から2時間半、同市撫養町南浜の鳴門地域地場産業振興センターで開く。参加は無料。同会は「ぜひ多くの人に来てもらいたい」と来場を呼び掛けている。 http://www.topics.or.jp/Lnews/lnews.php?id=LN2005082901000011&gid=G50 |
30日公示、9月11日投開票の総選挙期間中に、候補者が同じ壇上に並んで政策を訴える「合同個人演説会」が、千葉1、2、5区の計5カ所で開かれることが決まった。市民グループ「千葉県で公開討論会を推進する会」(浅井明美代表)が25日に会見を開いて発表した。 演説会では、中立のコーディネーターが司会進行をし、候補者が決められた時間内で自己紹介や政策発表などをする。聴衆からの質問も受けるという。00年は12区13カ所、03年は7区8カ所で開いたが、浅井代表は「今回は急な解散で日程の調整が難しく、快く受けてもらえないのが残念だ」と話した。 25日までに決まった日時、場所、出席者は以下の通り。 【1区】9月7日午後7時半、千葉市文化センター(田嶋、佐々木両氏が出席) 問い合わせは浅井さん(電話090・9970・5413)へ。 |
公示を3日後に控えた衆院選で、郵政民営化法案に反対して自民党を離党し新党日本を結成した小林興起氏(61)と自民党の“刺客”小池百合子環境相(53)らが出馬を表明、全国有数の激戦区となっている東京10区(練馬区の一部と豊島区)の立候補予定者全員が27日、公開討論会に顔を合わせた。「郵政民営化は改革の本丸」「民営化は日本のためにならない」と早くも議論は過熱気味だった。 討論会は東京青年会議所が主催、2氏のほかに民主党の鮫島宗明氏(61)、共産党の山本敏江氏(56)が出席。小林氏と小池氏は隣り合わせの席順で、約1時間遅れて会場に到着した小林氏は小池氏と目を合わせることもなく着席。討論の時以外は言葉を交わすこともなかった。 議題は年金問題や財政再建、サラリーマン増税など多岐にわたり、郵政民営化がテーマになったのは討論の終盤。冒頭、コーディネーターが法案への賛否を問うと、小池氏だけが迷わず「○」の札を上げ、残る3氏は「×」。 (01:11) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050827AT1G2702027082005.html |
衆院東京10区で27日、自民党公認の小池百合子環境相(53)と、郵政民営化関連法案に反対し新党日本を立ち上げた小林興起代表代行(61)が、豊島区内で開かれた討論会で“直接対決”した。 ◇ 郵政総選挙で東京の“メーンイベント”となる東京10区。豊島区内で開かれた立候補予定者4人による討論会で、“刺客マドンナ”小池氏と郵政法案反対派の旗頭だった小林氏が、公の場で初めて顔を合わせた。 約300人でほぼ満員の会場に、緑色のスーツに身を包んだ小池氏は笑顔で登場した。「改革をやめない政治環境をつくるために郵政民営化は必要」とあいさつ。日本新党時代の同僚、民主党の鮫島宗明氏(61)らと年金、社会保障の改革や財政問題について、和やかな雰囲気で議論を行った。 雰囲気が一変したのは開始から約1時間後。同区内の公民館で新党日本代表の田中康夫長野県知事(49)らも出席して行われた時局討論会を終え、駆け付けた小林氏が舞台に登場したときだった。 壇上を早足で進み、小池氏の隣の席にドカッと座る。候補者すべてがそろったところで、議題は郵政民営化関連法案へ。〇×のボードで法案に対する賛否に答えるコーナーで、すぐに「〇」のパネルを笑顔で掲げる小池氏に対し、小林氏は口をへの字にして「×」だ。 小林氏は隣の小池氏に背を向けるような形で座り「今回の民営化は、米国が仕掛けたもの。豊富な資金を運用するための謀略で、民営化は用心深くいくべきだ」と熱弁。これに対し、小池氏は「『謀略』だなんて。面白おかしくする発想は週刊誌的ですね」と低い声で反撃した。 「政策うんぬんではなく、小林氏の発言には、小泉政権を倒したいとの意図が見え隠れする」。今度は小池氏が攻めに転じると、小林氏は「オレは小泉首相には恨みはない。竹中平蔵さん(郵政民営化担当相)に恨みがある。彼は政治家の意見に耳を貸さない」と、持ち時間1分を知らせるブザーも気にせず、一気にしゃべり続けた。 壇上にそろった約30分間、2人は最後まで目を合わすことはなかった。まずは“ドロー”の2人の第1ラウンドだが、遺恨ムードは早くも色濃く漂った。
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200508/sha2005082802.html |
自民前職の新党旗揚げや“刺客”の登場などで注目される衆院東京10区(豊島区、練馬区東部)の立候補予定者を集めた東京青年会議所主催の公開討論会が二十七日、豊島区の区立南大塚ホールで開かれた。年金制度改革、税制改革などについて、各氏が持論を展開したが、最も議論が白熱したのは、やはり郵政民営化問題についてだった。 出席したのは自民前職の小池百合子、民主前職の鮫島宗明、共産新人の山本敏江と、自民前職で、今は新党日本の小林興起の四氏。このうち小池氏は約二十分、小林氏は約一時間遅れてステージに現れた。 〇(賛成)か×(反対)かのパネルを掲げる形式の質問で、「郵政民営化関連法案に賛成か反対か」と問われると、小池氏を除き三氏は「×」を掲げたが、「民営化そのもの」については、山本氏以外は「〇」を掲げた。 その理由として小池氏は、非常勤職員を含めれば三十八万人の公務員が削減できることや、民営化が金融改革、政治改革の入り口にあたることなどをあげた。 鮫島氏は、今回の法案では郵便事業に宅配便業者などが新規参入できない点や郵便貯金などから特別会計に流れる金の流れが現在と変わらない点などを指摘した。 山本氏は、独立採算で税金を使っていない公社を民営化する意味がなく、赤字経営などになれば安心して生活資金を預ける場がなくなるとした。 小林氏は、民営化法案はブッシュ米大統領と小泉総理の会談の中で、巨額な郵便貯金の金を(米の)自由にさせろと米側が要求して始まった問題、などと訴えた。 小林氏のこの発言に対し、小池氏が「陰謀である、と…。週刊誌的で面白いが」と指摘。小林氏が「おどろおどろしいと言うが、(ブッシュ大統領の)圧力と考えるのが政治の場の常識」などと激しく反論する場面もあった。 会場には約二百五十人の有権者が詰めかけ、熱心に聞き入っていた。 |
「投票に行こう」と、衆院選公示を控え、有権者の動きが活発になってきた。市民団体による立候補予定者の公開討論会のほか、投票を終えた客への割引サービスを企画する商店街も。それぞれ選挙への関心を高める工夫に知恵を絞る。 「法案には大半の候補者が反対」「景気を支えるため民営化が必要」。岐阜1区で27日、市民団体が立候補予定者4人の討論会を開き、郵政民営化関連法案に反対した元郵政相の野田聖子さんと自民党の「刺客」でエコノミストの佐藤ゆかりさんが激論を交わした。250人収容の会場に入れない人も続出。傍聴した男性会社員(46)は「自民王国の1区が政策論争の場になり、喜んでいる」と話した。 京都市南区のホテルでは、京都青年会議所幹部らによるグループ「まつり9・11」が京都3区の予定者3人の討論会を開いた。約100人が聞き入り、公務員の男性(31)は「想定外の質問に表情が変わったり、党の政策に対する見解の相違が垣間見えたりして興味深かった」。同グループの鬼丸昌也代表は「立候補予定者の生の声を聞いて政策や考え方を比べることで関心が高まれば」と期待する。 こうした討論会は全国の約100か所で開かれる。 一方、大阪府岸和田市の蛸地蔵商店街は、投票所で渡される投票済証を持参した客に割引や粗品進呈をする「投票率UP大作戦!」を計画。同商店街役員の泉原一弥さん(46)は「選挙の大切さを知るきっかけにしてもらえれば」という。 滋賀県彦根市の7商店街なども投票済証で割引を実施する予定。「モノで釣って投票を促すのではなく、投票に行ったご足労をねぎらいたい」としている。 (2005年08月28日 読売新聞) http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20050828p301.htm |
Copyright(C) Lincoln Forum. All rights reserved. |