日 程:1999年7月30日
会 場:東商ホール
テーマ:政治と討論 −政治は国民に響く言葉を取り戻せるか−

<パネラー>
深谷隆司(自由民主党総務会長)
菅 直人( 民 主 党 代 表 )
志位和夫(日本共産党書記局長)
<コーディネーター>
筑紫哲也(NEWS23メインキャスター)
※ 肩書きは、当時のものです。



 
  筑紫哲也より討論とのかかわりについて話してくださいとのフリがあった。
 
深谷
 
  私は中学の時から父に政治家になるように進められていた。私は政治家は弁舌 が出来ないといけないという認識から、高校では弁論部、早稲田では雄弁会でなら し、現在まで36年間代議士をやってきました。
 
 
  立会演説会の経験はあります。当時は時間を区切ってやっていた。私自身は演説 の勉強はしたことがありません。東工大で3000人で弁論をしたことがある。日本の演 説はOne wayが多い。アメリカのようなディベートがない。現在、国会で党首同志で 討論できる法律が通っている。
 
志位
 
  私は立会演説会の経験はありません。政治家になった時対面集会を沢山やりま した。フェアな論説の機会が保証されるべきと考える。
 
筑紫
 
  1人1分間をルールとして討論しましょう。立会演説会のことを話してくださ い。
 
深谷
 
  私の選挙区の東京8区では五ヵ所で開催された。8人で19分ずつ割り当てられて 候補者が五ヵ所を回るので入れ替わりが激しい。
 
 
  立会演説会は4回経験した。全て落選でした。立会演説会には討論はない。しか し、全ての演説内容を比較している人がいて、選管がその優劣について噂を流してい た。出来れば討論という形での復活を望む。
 
志位
 
  私は経験者から話を聞いただけです。やはり弊害はあった。しかし、全部聞い ている人も中にはいた。共産党は立会演説会をなくすことには当時反対していた。 深谷:候補者にとっては会場設営の手間がなくメリットはあるが、短期間でも日程を 拘束されることがデメリットである。でも是非やりたい。
 
 
  有線TVで演説会をやった。小選挙区では候補者が少人数で討論が出来る。有権 者側の開催が出来るようになればよい。
 
志位
 
  現状の討論会ではなく、直接の討論の場が保証される方がよい。
 
深谷
 
  アメリカにあるような討論会委員会を手本にすべきだ。聴衆と候補者の対話、 個人演説会を合同でやりたい。
 
志位
 
  2通りの方法が必要、制度的に保証される場もあり、有権者が自由に開くこと が出来るように法律改正が必要。
 
 
  都内の選挙は心配していない。出る方にも自由を与えるべき。選管が実施するも のとプラスαがあればよい。
 
深谷
 
  政権与党は夢を語れない。また、他の候補者の応援に時間を取られる。
 
 
  討論会に出てこないと社会的に不利になるという空気があるべきである。候補者 が日程調整をすればよい。
 
志位
 
  オール与党対共産党の選挙では難しい。但し、選択肢は取るべきである。現職 の市長が欠席して落選した例がある。
 
深谷
 
  都知事選で明石候補は行動力があったが、話上手ではなかった。出る方がマイ ナスとの意見も会った。熱心に仕事が出来るが口下手で評価されない例もある。小渕 総理は最初支持率が低かった。時間をかけて実績を出してきた方である。12日間の選 挙期間では短すぎる。
 
筑紫
 
  公開討論会が選管と有権者側の2種類あってもよいという意見はどうですか?
 
深谷
 
  12日間は短いのでセッティングが難しい。
 
 
  口下手が不利になることは必ずしも言えない。TV主催の公開討論会は恐いと感 じる時もあった。現在の公職選挙法は”べからず集”でひどいものだ。しかし、買収 での連座制は評価できる。細かい制約は必要ない。
 
志位
 
  有権者の知る権利が誤解されている。政党・候補者が有権者と討論すべきであ る。また、選挙運動で個別訪問を禁止しているのは日本だけである。文書宣伝も自由 化すべきである。
 
深谷
 
  日常の活動で判断して欲しい。討論会の時間だけで判断するのはよくない。選 挙運動も全く自由化すると力のある人が有利になってしまう。
 
志位
 
  イギリス人は個別訪問されて迷惑だと態度で示す人はいない。戸口での対話を している。周りの目もあり、買収もやり辛い。
 
深谷
 
  私は小さな座談会を開いている。個別訪問が得意な政党がある。
 
 
  原則として討論会が出来るようにする。時間制限を付けるのはよい。有権者側の 発想でやるべきである。
 
深谷
 
  アンケートを実施した。迷惑であるとの意見もある。今後各党で話し合うべき である。
 
 
  小選挙区制度に変って投票の意味合いが変った。総理を選ぶ選挙の傾向も出てく る。日常生活とは別である。
 
深谷
 
  日常活動の成果を伝えるのは別の方法がよい。
 
 
  イギリスでは政党を選ぶ選挙である。個人を選ぶ傾向は薄れる。
 
志位
 
  政党側は言論の自由、有権者側は知る権利、直接面と向かう討論が必要。
 
深谷
 
  本来は自由を与えるべきであるが、最低限のルールは必要。
 
筑紫
 
  今後の公開討論会に対して意見をお願いします。
 
志位
 
  是非考えるべきである。努力したい。合同演説会には障害がある。公職選挙法 の見直しを提案したい。討論の内容は任期中の検証もやるべきである。従って今期の 公約のチェックと今後の公約の公表である。
 
深谷
 
  我党は今やらなければならない経済回復に全力を尽くしている。結果に対して 評価して欲しい。出たがらない人も多いが私から参加するように要請する。
 
 
  自民党は深谷さんを除くと避ける人が多い。自分の言葉で語るのが大切。CAT Vとは連携すべきである。法案のほとんどは霞ヶ関(官僚)が作っている。チェック は総理がすべきであるので、有権者が総理を選べるようにならなければならない。
 
深谷
 
  国会を活性化する法案が通りました。政府委員の廃止、党首討論制度。官主導 から政治主導でやっていきます。
 
筑紫
 
  現職と新人の戦いはメモリーとホープの戦いでもある。
 

  最後に主催者挨拶に内田実行委員長が立ち、今後の公開討論会も中立公平の考え方で 運営して行くことと、衆議院選挙では300選挙区での開催を目標にしていると宣言しま した。
 
記録:高橋聡(千葉県で公開討論会を推進する会代表)
 







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更新日 2000年12月02日