当日の運営
更新日 2017年03月26日




託児、手話サービスの依頼
託児サービスを依頼する場合のポイントはなんですか?
手話サービスを依頼する場合のポイントを教えてください
手話通訳で選管への届出が必要な場合があるようです。どのような場合に必要となるか、ケース毎に教えてください。
場内誘導
場内誘導では「会場に人を拡散させず、前から詰めて座らせること」とマニュアルにありますが、なぜそのような誘導が必要なのかわかりません
危機管理
実際の討論会最中に、立候補予定者が自らへの投票依頼などを行った場合は、主催者側が発言の訂正を促す程度で宜しいのでしょうか?
閣僚を招く場合の警備体制について教えてさい
会場からの野次を予防するうまい方法はありませんか?
当日直前に候補者が、用意した資料を配布したいと言ってきたら?
カンパ
カンパの上手な集め方を教えてください。
カンパはどのような容器に入れてもらえば良いでしょうか?
閉会挨拶で主催者代表からカンパを依頼しようと計画していましたが、候補者の退場と同時に観客の多くが席を立ってしまいました、どうすれば良かったのでしょうか?
運営スタッフ
当日運営ボランティアを地域から募集する場合の注意点 
録音・録画・撮影
会場内での録音・録画・撮影等を許可してよいですか。SNS等に投稿される可能性があります。
その他
質問を作るときに気をつけることはなんですか?
討論会で配布する資料のコピー代がかさみます。何か手立てはありませんでしょうか?






Q.
 
実際の討論会最中に、立候補予定者が自らへの投票依頼などを行った場合は、主催者側が発言の訂正を促す程度で宜しいのでしょうか?
 

A.
  (1)事前運動行為(投票依頼や名前の連呼)の場合
   ・(同じ発言中に繰り返す場合は)発言を制止する
   ・事前運動行為にあたることを指摘し、以降繰り返さぬように注意する

 (2)公職選挙法違反ではないがルールで禁止している発言(誹謗・中傷など)の場合
   ・発言の訂正を促す
 








Q.
 
当日直前に候補者が、用意した資料を配布したいと言ってきたら?
 

A.
  事前に主催者が認めた配布物のみを配布可とすることを原則とし、当日直前になっての配布要望は受け付けないこととしてください。

  理由1

   配布資料の内容によっては、公職選挙法に抵触する危険性が
   高いので。
   
   

  理由2

    実際に配布された資料の出来栄えや量に差があれば、ビラの
   作成者が立候補予定者であるにもかかわらず、主催者の公平
   性を疑われてしまう危険があるので。

また、主催者が事前に認めてよい候補者陣営の配布物については当Q&A
企画(2)候補者陣営が用意した資料を配布してよいですか? を参照してください。

2006.11.18改訂








Q.
 
カンパの上手な集め方を教えてください。
 

A.
 
「カンパ」は公開討論会運営上の貴重な収入源です。公開討論会がボランティア運営と入っても、大幅な赤字運営では主催者に疲労感が残ります。(多少の赤字なら貴重な社会勉強代だと考えましょう) できるだけ赤字が出ないようにカンパしてもらえるように努力しましょう。来場者にカンパをして頂ける、すなわち財布の紐を緩めてもらうためには、「気持ちよく」「納得済みで」カンパしてもらうことです。そのためには次の様なテクニックが有効です。 いくつかのテクニックを組み合わせてご利用ください。

●会場入り口に大きな模造紙で、支出明細を掲示しておく   
  → 会場費、チラシ代などの明細があると、納得感が出る

●討論が終了し、主催者がお礼の挨拶をする際に、以下を丁寧に述べる  
   ・この会はすべてボランティアで運営されている  
   ・民間の催しなので、一切行政援助はない  
   ・この会の運営に、会場入り口にも明細を掲示してあるとおり、
   △△円の費用がかかっている  
   ・今後このような会が継続的に開催できるよう、私たちへの激励も
   込めて皆様からのお志をおねがいしたい  
   ・いただいたカンパも含め、この催しの収支は後日ホームページで
   公表する (※ホームページ公表は任意です)

●カンパを集めるタイミングは、会の終了後のみにする
●カンパ箱はできるだけたくさん用意する。
●カンパ箱はスタッフが手に持ち、笑顔でお礼を述べながら、スッと
 目の前に差し出す。
●カンパ箱はできるだけ中身が良く見える構造にしておく
●あらかじめ、おとりの1000円札や5000円札を数枚入れておく

また、以下の方法はカンパ集めとしてはあまりうまくいかない手段と 考えられますのでご注意ください。

 ×入場時にカンパを募る  
   →「結局カンパという名を借りた入場料ではないか」と思われてしまうので
  ×開会中にカンパ箱にまわす。あるいはスタッフが回収に回る。  
   →討論会への集中力がそがれてしまうので
  ×開会挨拶でカンパ依頼をアナウンスする。
   →人は、会の内容がすばらしければ、自然と財布に紐が緩むもの。
    内容をまだ見てないのに、カンパ依頼されるのはあまり
    いい気持ちがしない。

したがって、カンパ依頼をするタイミングは、閉会挨拶で来場者が高揚しているときがベストです。
 










Q.
 
質問を作るときに気をつけることはなんですか?
 

A.
 1:
質問テーマ(国政選挙用)

  (1)地域や選挙区特有の質問を入れない

 2000年の総選挙を前にした多くの公開討論会で、地域や選挙区特有の問題がテーマに挙がっていました。確かにこれらの問題は地元有権者にとって大変な関心事なので、テーマに入れたくなる気持ちは わかります。 また、小選挙区というのは市区村長選レベルの面積が多いので、どうしても”地元代表の先生”という感覚を抱きがちです。

 しかし、地域や選挙区特有の質問を国会議員の候補者に問うことは、有権者が国会議員に対し、地域への利益誘導を促していることに近いものがあります。

 また、国会議員とは憲法にも明記されているとおり”全国民”の代表であって、地域代表の集合ではありません。 選挙区というのは国民が投票しやすいように便宜的に設けられているに過ぎません。
 実際、地域特有の質問に対し、「これ以上の詳細な回答はむしろ市長にお任せすべきでしょう」と回答に窮していた候補 もいました。その候補は市議や県議の時代には当該問題の専門家でしたので、もちろん個人的にはいくらでも詳しく回答できるのです。しかし国会議員の回答すべき範疇ではないと いっているわけで、私は非常に良心的な候補と考えます。

 主催者側もこの点をわきまえ、国政選挙の公開討論会では地域や選挙区特有の質問は避けるようにすべきでしょう。

  (2)模範的なテーマ

 国政選挙に対するテーマや争点の代表例を挙げてみましょう。

 1.憲法問題を含めた防衛、危機管理に対する基本理念
 2.荒廃する教育に対して具体的に何を行うか
 3.日本の経済をいかにして立て直すか
 4.赤字が膨れ上がった財政をいかに再建するか
 5.税制をどのようにしていくか(所得税、消費税、法人税、相続税等)
 6.高齢化社会、(または少子化社会)に対する対応
 7.まったなしの環境問題をどのように解決するのか
 8.政権構想

 これらのテーマを「国家、国民、国益」の立場から、「具体的に」回答していただくことです。

 また、1.〜8.を旬の話題や法案と組み合わせて、一歩掘り下 げた質問を1,2問入れるのも効果的です。この場合、最初にその話題や法案にYES/NOで明確に回答させ、その後理由をお答えいただくと、考え方の違いがはっきり分かります。

 
  例1:ガイドライン関連法案が通過しました。日本の防衛という観点から憲法改正に賛成か反対か、理由を含め具体的 にお答えください。

 例2:京都会議で約束した日本のCO2削減目標は達成できると思いますか?目標達成の為に国家として具体的にどの ような手段をとる必要があると考えますか?

 例3:凶悪化する少年犯罪に対して、少年法の罰則適用年齢 引き下げが討議されていますが、あなたは賛成ですか反対ですか?その理由も含めてお答えください。

 2:質問内容の事前提示

 事前提示する質問は、できるだけ詳細に提示してきましょう。可能な限り、当日にコーディネーターが質問する内容とそっくり同じ内容を提示しておくことが望ましいです。

 質問内容を詳細に提示してしまうと、用意してきた紙を読み上げるだけになってしまい、実力の違いが分からなくなってしまう、だから「財政再建について」「環境問題について」とか、大枠のテーマだけを事前提示しておいた方が良い、とお考えの方が多いと思います。

 ところが数多くの公開討論会を支援してきて、この考えは必ずしも正しくないことが分かってきました。

 事前提示内容を曖昧にしておくと、回答も曖昧になりがちで候補の違いが分かりにくいことが多いのです。 なぜなら、すべてのジャンルに精通している候補は稀であり、優秀な候補でも得意分野以外は相当な予習をしなければ明快に回答できないからです。

 むしろ、事前提示する質問を詳細にすればするほど、候補の違いが明確になります。 優秀な候補ほど、用意してきたメモをそのまま読み上げたりはしません。予習内容をベースにしながら、自分の体験談や知識、人生観などを交え、回答を膨らませていくものです。 これがライブの公開討論会の魅力であり、優秀な候補が光輝く場面でもあるのです。そして、優秀でない候補にしても必死で予習してくるわけですから、これは候補者を鍛えることにもなります。

 さらに候補者が予習してきた内容は、これまで有権者が知らなかった事実や数字が提示されることがあり、有権者も大きな学びを経験することにもつながります。

 3:会場からの質問受け付けは書面で

 リンカーン・フォーラム方式では、会場からの直接の質問を 認めていません。理由は、「質問」という名を借りて、待ってましたとばかり自分 の意見を延々と語る人や、ひどいときは候補者への誹謗・中傷を発言する方がいるからです。公開討論会の時間がたっぷりあれば、それらの”意見”や”誹謗・中傷” をコーディネーターが遮るのもいいでしょう。

 しかし、日本語というものは結論が最後になりやすいものであり、 実は質問ではなく単なる意見だったというのは、最後まで聞いてみなければ分かりにくいものです。

 また、一部の宗教団体や革新政党系市民団体などは、質問の中に巧妙に誹謗・中傷・スキャンダル暴露などを織り交ぜることが多く、コーディネーターがうっかりしてたり、地元の事情に精通 していなかったりすると、誹謗・中傷とわかりにくい場合が多いのです。仮に、コーディネーターがこれらの質問を遮ったとしても、限られた時間の中でこのような無駄な時間が費やされてしまうのは、多くの有権者にとって損失です。

 しかし、主催者の中にはワイドショーの芸能レポーターがするような上記のような質問も「候補者の人柄が見えてよい」「候補者と有権者の距離が近づくので良い」「疑わしい候補には正義の鉄槌を下すべきだ」と考える方がいます。

 けれども、ここは良く考えて欲しいものです。リンカーン・フォーラム方式の公開討論会は決して候補者に審判を下したり、品定めをするような場ではありません。むしろ、有権者が候補者と一緒になって自分の国や街の将来を考えた上で、自分達のリーダーを自らの意志で選び出す場なのです。

 自分達のリーダー候補に対しては礼節を持って接するべきです。人柄を知りたいのであれば、政策に関する質問でも十分うかがい知ることが可能であり、あえて誹謗・中傷で候補者の反応を試すなどということは必要ないはずです。また、革新政党系市民団体が開催する公開討論会では、与党候補に対して誹謗・中傷質問が繰り返され、与党候補が怒って退場してしまうということが何度もあったのです。そして、その市民団体や主催者メンバーは信用を失うことになります。

 これらのリスクを総合して考えると、仮に会場から質問を受け付ける取る場合は、質問用紙で受け付け、スタッフが内容を吟味するというルールを徹底すべきです。
 



 



Q.
 
閣僚を招く場合の警備体制について教えてください。
 

A.
 警察への警備依頼、およびSPへの対応については「公開討論会完全マニュアル」の
 2.候補者への出席依頼そのA 第8ステップ 警察への警備依頼
   https://www.touronkai.org/manual/ht/manual/02-2.htm
      
 に書いてありますので、該当個所を参照してください。また、ホームページからダウンロードできるHtml版には、警備依頼書の書式もついていますのでご利用ください。
 

 その他に注意することとしては、Q&Aの「候補者への出席依頼」の項目にある「候補者に閣僚クラスがいる場合の取り扱いについて教えてください。」を参照してください。
   https://www.touronkai.org/qa/request.htm#05
 



 



Q.
 
託児サービスを依頼する場合のポイントはなんですか?
 

A.
 さまざまな方に公開討論会に来て頂くためにも、このようなサービスは重要です。
以下では、このようなサービスを行っている団体に、託児サービスを依頼するときに気をつけるポイントを説明します。

 1.信頼に足る相手か
 当然ですが、軽軽には頼めません。何かあれば主催者の信頼問題になりますし。それなりの実績を有する相手が欲しいです。地元の社会福祉協議会(社協)などに紹介してもらうのが良いでしょう。

 2.早めに日程を伝えておく
 実績のある著名な団体は、数ヶ月先まで予定がぎっしりだったりします。「来週お願いします」では無茶です。

 3.使用できる施設をきちんと確認しておく
 来場者の子供をあずかる施設であるため、十分な確認が必要です。
 ・お湯が使えるか
 ・調理器具が使えるか 
 ・部屋の広さは十分か
 ・どんな遊具なら置けるか
などなど、確認しておきましょう。

 4.利用者を事前に確定しておく
 何人利用するかによって受入体制はぜんぜん違いますし、年齢によっても大きく違います。たとえば、幼稚園児と乳児では全く違う対応が必要です。ですから、事前申し込みを受け付けると良いでしょう。

 5.保険に入る
 万一に備え、ボランティア保険に入っておくのは当然の責務です。社協などで扱っていますので加入しておきましょう。
 



 



Q.
 
手話通訳を依頼する場合のポイントについて教えてください
 

A.
 
手話通訳は一般的に役所を通じての依頼となります。

 ここでポイントとなるのは、手話通訳さんの派遣料が無料となるか、有料となるかです。
 有料の場合、一人1時間当りいくらと、かなりの費用がかかるようです。

 公開討論会の場合、主催者自身が通訳派遣を依頼すると、有料となる場合が多いようです。
しかし、障害者団体が役所(または役所が業務委託している財団法人など)に「この(公共性が高い)公開討論会に参加したいので手話通訳をつけてほしい」と派遣を依頼してくれると、無料になるそうです。たとえば東京都の場合は聴覚障害者連盟という団体がそれに当たります。

そこで、次のステップで依頼すると無料で手話通訳を派遣していただくことができます。

*****************************************************
1.役所に手話通訳派遣を打診し、有料か無料かを調査する
2.有料の場合、障害者団体を紹介してもらう
3.障害者団体に交渉し、障害者団体から役所へ公開討論会
  への無料での手話通訳派遣を依頼してもらう
*****************************************************

一度、無料での手話通訳を派遣してもらえば、2回目以降の公開討論会での派遣交渉がとてもスムーズにいくようになります。

東京の場合、参議院選、東京都知事選と派遣依頼実績があるので、本年6月の衆議院選では10数回行われたほとんど全ての公開討論会、合同個人演説会で手話通訳していただけました

余談ですが、東京の手話通訳団体の場合、30名の大軍団で来場していただけるので、集客にも一役買いました。
 






Q.
 
会場からの野次を予防するうまい方法はありませんか?
 

A.
 まずは、公開討論会のルール説明のときに、このルールができた背景(昭和58年に廃止された立会演説会の反省)を含めてしっかり説明する必要があります。

立会演説会が廃止された経緯

 
 かつては国政選挙を中心に選挙時には公的に立会演説会が開かれ、有権者は、いっときに全候補の政権を聞くことができた。

 ところが、1983年にこの立会演説会が廃止されてしまったのである。なぜか。それは、立会演説会の開催時にさまざまな問題が噴出してきたからである。その最大のものは、応援合戦になってしまうことであった。つまりA候補が演説をしているときは、A候補の応援団が会場を埋め、ヤンヤの喝采を送る。そして演説がおわると、一挙に会場から出て行く。そしてB候補が登壇するのにあわせてB候補の応援団が大挙して流れ込んでくるのである。

  すなわち複数の候補の演説を比較検討するというのは建前で、実際は各候補がかってに気勢をあげる場にすぎなかった。のみならず、立会演説会が廃止される直前においては、敵の応援団が相手候補をやじり倒し、罵詈雑言の中で演説を中止せざるをえない候補が続出した。そんな騒然としたなか、国会の取り決めで立会演説会は消滅してしまったのである。
 
「公開討論会マニュアル」より
(公開討論会への道のり〜公開討論会開始時における問題点〜)
詳しくはこちらの公開討論会マニュアルをご覧ください。


 次に、野次の禁止を来場者に促すためのユニークなテクニックを紹介します。

 ●「ルール説明中に、ルール違反者が退去させられる」パフォーマンスを行う。 

 まずは、実行委員会のメンバーに「さくら」の野次要員を用意し、会場最前列に座らせておく。

 司会者がルール説明中に、この野次要員に「そんなこといいから、とっとと始めろ!!」などと大声で叫ばせる。(会場に緊張が走る)

 間髪入れずに、壁際に控えていたスタッフ(できるだけ屈強で強面のメンバーがふさわしい)2名が野次要員に駆け寄り、両脇から抱えて会場外に連れ出す。

野次要員)  「おいおい、一体何のつもりだよ」
 スタッフ)  「お話は外で伺います」

司会 「目に余る行為をされた方はこのようになります。今のは演技です。さくらで野次をとばしていただいたスタッフの方ご苦労様でした。」

と説明する。 (会場、一気に和む)

 これは、過去の公開討論会で実際に使われた手法です。インパクトがあり、来場者に野次禁止の趣旨を容易に理解していただくことができます。

 以上の対策で99%の野次は予防できます。しかし、それでも希に勢い余って野次を飛ばす方がいます。そのときは、コーディネーターが毅然とした態度で野次を飛ばした人をまっすぐ指差し、「お静かに願います!2度目の野次は許しません!」と注意してください。

 会場の視線が一斉にコーディネーターが指差した方向に向けられ、野次を飛ばした人は恥ずかしくなって2度と野次が出せなくまります。これらの工夫で、400回以上の公開討論会で今まで一度たりとも野次が問題になったことはありません。
 



 



Q.
 
討論会で配布する資料のコピー代がかさみます。何か手立てはありませんでしょうか?

A.
 
  公開討論会では必ずしも資料を配布する必要はありませんが、資料があれば、より候補者の違いが鮮明になる場合もあり、予算を安く抑えたい実行委員会にとっては頭を悩ませる部分です。

もし、討論会で資料を4枚の資料を500部配布する場合、1枚10円のコピー機を使ったとすると、4枚×500部×10円=2万円 もの出費となってしまいます。

このように大量部数を印刷する場合は、業務用の印刷機を利用すれば、1枚単位の課金であるコピー機よりも印刷代が大幅に抑えられます。
さらに頭を使えば、印刷機を無料で利用できる場合があります。

たとえば、行政のボランティア支援施設の印刷機利用が無料であるとか、開催主旨に賛同してくれた印刷屋さんが無料にしてくれるとか、偶然にもメンバーの知り合いの中に印刷機を持っている方がいるとか。

日常から、身の周りで印刷代を安く上げるルートを発掘しておくといいでしょう。

 



 



Q.
 
閉会挨拶で主催者代表からカンパを依頼しようと計画していましたが、候補者の退場と同時に観客の多くが席を立ってしまいました、どうすれば良かったのでしょうか?

A.
 
  学生を中心としたある実行委員会では、候補者の退場と同時に、実行委員会スタッフ全員が舞台上に勢揃いして、来場の御礼を述べると共に「すべてボランティアでやっています」「このような公開討論会を継続していくために、どうぞカンパをお願いします」と笑顔で呼びかけました。

この「最後の全スタッフ挨拶」は、座席を立とうとした観客の足を止めると共に、さわやかな共感を呼び、20万円以上のカンパが集まりました。

Q&Aの「カンパの上手な集め方を教えてください」で紹介した
   ・観客に共感を持たせる
   ・スタッフ全員の笑顔と感謝
   ・費用はどれだけかかっているかという事実認識の共有
というポイントを、「最後の全スタッフ挨拶」は見事に集約しています。

皆さんの実行委員会でも実践してみませんか?



 



Q.
 
カンパはどのような容器に入れてもらえば良いでしょうか?
 

A.
 
  ペットボトルの上半分を切ったものなど、透明で中身が見えるものだと効果的です。中にお金が入っているのが見えるので、自分も少しはカンパしないと申し訳ないかな?と思わせる効果があるようです。



 



Q.
 
場内誘導では「会場に人を拡散させず、前から詰めて座らせること」とマニュアルにありますが、なぜそのような誘導が必要なのかわかりません

 

A.
 
  ベテランの実行委員会でもなかなか理解が浅いのが、この場内誘導の重要性です。
リンカーン・フォーラム方式の場内誘導とは、
1席も空けることなく、前からびっしり座らせるために、場内誘導係が体を張って来場者をひとりひとり、誘導係が指定した席に導く」ことをさします。

ただ単に、「前から座ってください」と叫ぶだけでは効果がありません。
このような着席状態の会場を実現するためにはできれば場内誘導係に10人以上の人員を配置します。
そして誘導係が場内入口から数メートル間隔に立って「人の壁」をつくり観客に一切の座席選びの自由を与えずに前へ前と誘導していくのです。
そして、誘導係自身が、目的の座席の正面まで歩いて観客を誘導し、大きなゼスチャーでその座席に腕を差し伸べ、「こちらへどうぞ」とニッコリと微笑みかけるのです。
(これは、小劇場などではお馴染みの誘導方式です) 

なぜ、この誘導方式をとるのが大切なのか。

例えば400人の会場に250人が分散して座ると、そこそこ会場が埋まったように見えます。しかし、候補者と会場との距離が開き、なかなか白熱しないものなのです。

ところが、会場の前方2/3に、1席も空けずに250人がびっしりと座ると どうなるか。

仮に、A候補が話しているときに、B候補が非常に不遜な態度を取っていたとします。
そして、B候補の態度に気づいたひとりの観客が友人に、「ちょっと、あのBさんの態度を見てごらん。ひどいわねえ。」と囁いたとします。ところがこの種の囁きは往往に、その付近にいる人々に瞬く間に伝わるものでして、彼らも一斉にB候補へ振り向きます。するとその集団の後ろの人々も皆、何事かと一斉にB候補を見る。
このような連鎖反応が、擬似的に作り上げた超満員の環境で次々と起こり、候補者の人柄への理解が深まるものなのです。

また、ステージ上の候補者と観客との間で直接の言葉のやりとりがなくても、会場の前方に観客をびっしりと詰めることにより、候補者と観客との間で不思議な心のキャッチボールができ、候補者はとても気持ちがいいものなのです。そして、これは候補者が最も知りたい「有権者の反応」が実感できる状態でもあるのです。
会場にちらほらと空席があると、このような状態は作り出せません。
コミュニケーションのプロであれば誰でもこのことを知っています。
 
このように、人と人とのコミュニケーションにも細心の注意を払い、あらゆる人々に満足度の高い公開討論会を提供するのがリンカーン・フォーラム方式の真髄です。

これから開催する討論会では、ぜひ場内誘導に力点をおいてください



 



Q.
 
公開討論会を開催するにあたり、当日の会場設営のボランティアスタッフを地域住民から募集したいと考えています。市民の誰が関わっても、運営、設営に公平中立であり、選挙運動などをしなければ全く問題は無いと考えていますが、いかがでしょうか? 
 

A.
  リンカーン・フォーラム方式の公開討論会では、開催にあたり、会場設営のボランティアスタッフを地域住民から募集することはよくあることです。

公開討論会は地域住民が主体となって行うものですから、実行委員会が中心になって開催する場合でも、当日スタッフを地域住民から募集することは好ましいことです。
したがって、基本的にはOKです。

ただし、全く問題が無いわけではありません。
以下3点をリスクマネジメントとして心得ておきましょう。

1.明らかに特定候補の支持者とわかる方が応募してきた場合

 後援会の幹部や選対スタッフ等、明らかに特定候補の支持者であるとわかる方が応募してきた場合は、主催者の中立性に反しますので丁重にお断りしましょう。

2.特定候補の支持者ではあるが、第三者からみればそうとはわからない方の場合

 特定候補を支持しているものの、第三者からみればそうとはわからない方がいます。
 たとえば以下のような方々です。
  ・おつきあいで政党に加入している
  ・政党員ではないけれど若手候補に小額の政治献金をしている
  ・無所属候補を影ながら応援している

このような方々は、義理でそれらの政党や候補に関係していたり、政治に関心は高いものの熱心に選挙運動に関わらないことが多いものです。むしろ、スタッフに応募してくるくらいですから公開討論会のような中立な活動に、より高いやりがいを見出している可能性があります。

このような方々に対しては、お断りするよりもむしろ門戸を広げて、社会勉強の機会を提供してあげるほうが望ましいと思います。

ただし、公開討論会終了後に「あの公開討論会で○×党員が働いていたから、主催者は○×党候補に偏っている」などという揚げ足取りをされないように、これらの方々は当日の会の中立な運営に一切関与しないポジションに配置するといいでしょう。

たとえば、場外誘導、場内誘導、大道具、照明、音響などであれば問題ありません。
逆に、コーディネーター、コーディネーター補佐、司会、タイムキーパー、候補者控え室係など、討論進行に強く関与するポジションや、受付のように最も来場者と接触するポジションへの配置は避けましょう。


3.ボランティアとして採用したが、実は公開討論会を悪用しようとしていた場合

滅多にないことですが、ごく稀に、中立な仮面を装って、特定候補に有利に働きかけようとか、特定候補に鉄槌を下したり、落選に追い込もうと企んでいる方がスタッフに紛れ込む場合があります。
万一そのような行動が表面化した場合は、ボランティアといえども甘やかすことなく毅然とした態度をとり、その場でお引取り願いましょう。


 


2010年5月2日

 



Q.
 
手話通訳で選管への届出が必要な場合があるようです。どのような場合に必要となるか、ケース毎に教えてください。
 

A.
  1.公開討論会での手話通訳
   ・選挙期間中でないため、選管への届出不要。
   ・有償でも届出不要。(主催者が直接お願いをしての実費精算)

  2.合同・個人演説会での手話通訳
   ・選挙期間中であるため公選法上、注意が必要
    @無償の場合
      ・選管への事前届出は不要(報酬未発生の為、ボランティア扱い)
      ・但し、候補者は選挙終了後の収支報告に「無償労働」として計上
       し、報告しなければいけないので、候補者へ事前連絡しておきま
       しょう。

    A有償の場合
     ・事前に選管への届出が必要
      (報酬発生の為、ボランティアではない)
     ・届出者は候補者(合同・個人演説会主催者全員)
     ・届出可能人数は選挙により異なるので注意。
      (公職の候補者1人について1日50人を超えない範囲内で各選挙
       ごとに政令で定める員数の範囲内)
     ・企画運営団体は届出に必要な事項を入手し、主催者(候補者)へ
      事前連絡しておきましょう。


 


2012年9月5日

 



Q.
会場内での録音・録画・撮影等を許可してよいですか。SNS等に投稿される可能性があります。
 

A.

会場内でカメラ・ビデオ・スマートフォン・タブレット・ICレコーダー等による録音・録画・撮影等は、討論や他の人の迷惑ならないことを徹底した上で、許可して構いません。以下点をルールに記載するとともに、繰り返しアナウンスすると良いでしょう。

<注意点>

  • 討論や他の人の迷惑にならないようにする
  • 特にフラッシュ、三脚、画面の明かりなどが他の人の迷惑にならないように十分配慮する

また、公開討論会を撮影した来場者が、撮影内容をウェブサイト等(※1)に投稿することは法律で禁止されていませんが、仮にこれを選挙運動に利用する場合には、投稿先のウェブサイト等に、電子メールアドレス等(※2)を表示することが公職選挙法で義務付けられています。このことを来場者に注意喚起しましょう。

※1 ウェブサイト等を利用する方法とは、インターネット等を利用する方法のうち、電子メールを利用する方法を除いたものをいいます。例えば、ホームページ、ブログ、SNS、動画共有サービス、動画中継サイト等です。

※2 電子メールアドレス等とは、電子メールアドレスその他のインターネット等を利用する方法によりその者に連絡をする際に必要となる情報をいいます。具体例としては、電子メールアドレスの他、返信用フォームのURL、ツイッターのユーザー名が挙げられます。

 




2017年3月26日

 



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